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慢性骨髄性白血病(CML)の情報サイト

「仕事を休むことに、ためらいがありました。緩和ケアで、その葛藤を汲んでもらえて救われた」
―― 緩和ケアの担当者との関わりで乗り越えてきた私のCMLとの向き合い方

「先生に“つらい”って言っていいのか、ずっと迷っていました」
教員として日々働きながら治療を続けていたSさん。伝えることへの“ためらい”が続いた日々の中で、緩和ケアとの出会いから、少しずつ道が開けたといいます。そんなSさんに、緩和ケアを介した医師への伝え方をお話しいただきました。

「私のフキダシたいこと」

イラスト:Sさん(50歳代)

Sさん(50歳代)
CML発症後年数:5年8ヵ月
(2025年4月取材)

CMLと診断され、覚悟はしていたものの時が止まったように感じた

健康診断の血液検査で、異常値がみられると判定されたことがきっかけでした。元々、持病でかかりつけの病院があったので先生に伝え、改めて検査していただいたところ血液内科のある病院を受診することになり、そこでCMLと診断されました。
その日は、病院の階段を昇る自分の足取りがとても重かったことを覚えています。自分でも白血病かもしれないと予測していましたが、実際に告知されると時が止まったように感じました。先生から、治療が難しかった時代と違い、今は対処法があるという言葉を聞いて、やっと気持ちが楽になったような気がします。その後、分子標的薬による治療が始まり、今は2ヵ月に1回の頻度で通院しています。

治療を始めたばかりの頃、薬を飲めばすぐに良くなるだろう…そんなふうに思っていた私は、副作用と向き合わなければならない現実に戸惑いました。白髪やむくみ、胸の苦しさ、ふわふわと浮いたような感覚、色々な症状が現れました。もちろん先生にも伝えて、対処するための薬は処方されるけれど、心の声は聴いてもらえていない気がする…。それでも日々我慢して過ごしていたのは、“先生から言われたことに、ただ従う”だけだったからです。

イラスト:黒板の前に立っている男性

「このままだと壊れてしまう」と感じ、病院の受付で「話を聞いてもらえませんか」と相談しました。すると、緩和ケアというものがあると教えていただきました。患者の悩みを聞いてもらえると聞き、すぐに相談員の方とお会いしました。ここでようやく、治療によって感じる苦しさ、悩み、とまどい…それまでに抱えていた感情を口にすることができ、自分の求めていたものはこれだと心が救われた思いがしました。治療を続けながら日々多忙な小学校の教員として勤務するための働き方や、休職に関するアドバイスをいただける先生を紹介してもらったり、主治医の先生に私の相談内容を代わりに伝えてもらったりと、多岐にわたるサポートも受けることができました。緩和ケアを介したことで、先生が私の考えを汲み取ってお話ししてくれるようになり、スムーズにコミュニケーションをとれるようになりました。

家族にも病気のことを伝えることができ、幸せを感じる日々

実は、診断されてから半年以上の間、母には心配をかけたくなかったので病気のことを伝えられていませんでした。病状が落ち着いてから話そうと思っていたけれど、なかなか踏ん切りがつかなくて。でも、先生とお話ししやすくなってから、先生から母へ直接病状を説明してもらう機会を作っていただくことができました。今では、母とも病気のことを深刻にならず笑って会話ができます。何でもっと早く伝えなかったんだろうという思いもありますが、周囲の人の助けを借りながら、少しずつ環境を整えていくことの大切さも感じます。自分のことを話しやすい関係性を病院内で作ることができ、とても感謝しています。

私のフキダシたいことはコレ!

全部自分で抱え込まないで。人の温かさを信じてほしい

これまでの関わりを通じて、困った時には多くの人が助けてくれることを学びました。CMLだと知った時には、あれこれと自分だけで抱え込んでしまって。今考えてみると仕事や治療に追われ、一人で空回りすることが多かったなと思います。病気のことを周囲に理解してもらえず、くじけてしまう時もあるかもしれませんが、みなさんも人の温かさを信じて前に進んでほしいです。先生へ何からどう話していいかわからない方は、フキダシリーフに思いを書くことできっかけを作ることができるかもしれません。
CMLになったからこそ見えてきたこと、気づいたことがあります。その経験を活かしながら、人に貢献できたらと考えています。あとは時間の流れを大切に、丁寧にゆっくりと過ごしていければなと思います。

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