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慢性骨髄性白血病(CML)の情報サイト

「何気ない“雑談“も、治療を支えるヒントになる」
―― 「伝える」ことの価値に気づいた私のCMLとの向き合い方

診断当初から病気や治療について積極的に情報収集し、自分でも納得したうえで治療に向き合ってきたOさん。
医師との話し合いの中には、「伝えたつもりだったこと」が実は伝わっていなかった経験も。
その経験が、“伝える工夫”の大切さ、そして「実は、治療と関係なさそうな話が重要だった」という新たな視点をもたらしました。

「私のフキダシたいこと」

イラスト:Oさん(40歳代)

Oさん(40歳代)
CML発症後年数:1年10ヵ月
(2025年4月取材)

つらかったが、自分で情報収集をしながら納得していった

健康診断で、白血球が多いと言われたことがきっかけでした。健診医から説明を受けた後、自分でも色々と調べてみながらCMLだろうと推測していました。初めて病院を受診した日には、主治医の先生から病気のメカニズム、治療計画などの説明を受けましたが、病気であることに対する諦めの気持ちや虚無感で頭が真っ白になってしまい、完全に理解することができませんでした。それでも時間が経つにつれて、収集した情報を自分なりに照らし合わせることができるようになり、診断された時には「ああ、やはりそうか。」と納得したような気持ちで治療を始めました。

日々の生活を記録したメモ帳で、主治医とのコミュニケーションも円滑に

先生が治療薬を選択する判断材料となるように、私は持病やそれに対する治療薬の内容、服薬状況、バイタルサイン、心の状態など様々な情報を自分なりに整理して先生へ伝えていました。ただ、CML治療による副作用症状については、普段の生活でどういう状態なのか口頭で説明してもうまく伝わらず、あまり理解を示してもらえないこともありました。どうしたらいいのか悩み、CML入門冊子「慢性骨髄性白血病という病名を聞いた方へ」やCMLステーション「治療方針の決定~医師との話し合い方~」で紹介されている方法を参考に、診察日までの先生への報告事項や質問事項をまとめたメモ帳を見せながら話すようにしてみました。すると、それから先生の反応が明らかに変わりました。それまでうまく伝わっていなかった自分の日々の体調や取り組みが、メモ帳から読み取れるようになったことで、先生もじっくりとうなずきながら話を聞いてくれるようになったのです。「あ、ちゃんと伝わっているな」と感じられるようになったのは、この頃からです。
先生との会話を通じて、診察では伝えてこなかった日々の生活に関する些細なこと、たとえば働き方や疲れやすさといった話題も、治療の判断に役立つ大切な情報だったのだと気づかされました。また、そうした情報は量が多くなるほどカルテに記載されない場合があり、「伝えたつもりでも、記録として残っていない」ことがあるという現実にも気づきました。こうした経験から、先生が何を知りたいのかを意識しながら自分なりに伝え方を工夫するようになり、先生も「本当はどんな情報が必要なのか」を患者にうまく伝えきれていないことがあるのかもしれない、そんなふうにも思うようになりました。

今では、先生と雑談をする余裕もあります。働きながら治療を続けたいという強い思いを実現するために、職場の事情を話してみた時には、実は産業医としての経験があった先生から治療と仕事の両立についてアドバイスをいただきました。おかげで健康管理への意欲がアップし、職場と相談しながら就労環境の改善も図ることができました。

イラスト:医師と会話する男性

私のフキダシたいことはコレ!

まずは自分に素直になって、メモやスマホに書き残すこと

私は医師と患者の話し合いは、医師が知らない患者の生活状況を患者が自分で伝えることから始まると考えています。その第一歩として、フキダシリーフのチェックリストを活用すれば、まだ伝えられていない情報に自分で気づくことができるのではないかと思います。また、患者が治療について気になること、疑問に感じたことを自分なりに整理して医師に相談してみることも、納得のいく治療につながる大事なことだと思います。私も患者として、より良い治療や人生となるように自分なりにできる工夫は続けていきたいです。
診察での医師との雑談は大切で、その中には医師にとって重要な情報が含まれていることが多々あります。たとえば最近肩こりや目の疲れがある、パソコンの見過ぎかもしれないといった話も、実は治療薬に関連した症状の一つだったと判明するきっかけになるかもしれません。加えて、こうしたネガティブな情報だけに限らず、ポジティブな情報も伝えたほうがよいと思います。医師も成果が出たことを知れば前向きになり、さらなる効果的な方法を検討できるでしょう。
今の状況に違和感や悩みを抱える患者のみなさんには、まずは自分に素直になって何がつらいのかを思い出し、メモ帳やスマホに日々書き残していくことをおすすめします。たとえば病状が安定し受診間隔が長くなってくると、医師と話す機会自体が減ってしまいます。そのような時にもメモ書きは役立ちます。そこには、医師との関係性が前進するヒントも隠れています。箇条書き1行だけでも十分なので、始めてみてください。

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診察前に準備しませんか?「わたしを伝える」チェックリスト

症状や日常生活での困りごと、大切にしたいこと ― それは、あなたに合った治療を見つけるための大切なヒントになります。診察時、医師へ何をどのように伝えればよいかをお手伝いするチェックリストを用意しました。ぜひご活用ください。

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あなたの希望をフキダシにのせて伝えよう

あなたの希望や不安を形にすることで、より自分らしい治療への一歩が踏み出せます。フキダシリーフをダウンロードして、今日から使ってみましょう。

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