慢性骨髄性白血病(CML)の治療法は「分子標的薬(分子標的治療薬)」「造血幹細胞移植」「免疫を高める治療(インターフェロン製剤)」「化学療法(抗がん剤)」と大きく4つあります。

CMLの治療方法は大きく分けて4つあります。分子標的治療薬の他に造血幹細胞移植、免疫を高める治療、化学療法です。
分子標的治療薬の仕組みは、BCR::ABL1蛋白にあるポケットをエネルギー物質の代わりにお薬でふさぐことによって白血病細胞を増やすスイッチが入らないようにする治療法です。
その他には強力なお薬や放射線でがん化した細胞を破壊した後、血液細胞のもととなる正常な造血幹細胞を移植する造血幹細胞移植や、増えた白血病細胞を減少させるための免疫を高める治療、化学療法などがあります。
分子標的薬(分子標的治療薬)
BCR::ABL1(ビーシーアール エーブルワン)遺伝子が作り出すBCR::ABL1蛋白の「スイッチ」を切ることで、白血病細胞の異常な増殖を抑えます。
造血幹細胞移植
化学療法薬の投与や放射線療法を行って、骨髄中の白血病細胞を完全に破壊した後、健康な方(ドナー)から提供された正常な造血幹細胞を移植して、新しく生まれてきたドナーさんのリンパ球の免疫力で病気の再発を抑えます。がん化した血液細胞を健康な血液細胞と取り替える治療法です。
免疫を高める治療(インターフェロン製剤)
白血球数を正常値まで減少させ、一部の患者さんでは白血病細胞を減らしたり、消滅させます。
化学療法(抗がん剤)
白血球数を正常値まで減少させ、慢性骨髄性白血病のさまざまな症状を軽減させます。分子標的薬の開始前に一時的に用いられることがありますが、これだけで治すことはできません。
詳しくは、みんなのQ&A「検査・薬・治療について」をご覧ください。
CMLの標準的な治療法は、分子標的薬による薬物療法
治療によって得られる効果と、その持続性、副作用や継続しやすさなどを総合的に考えたとき、現時点でベストなのが分子標的薬による薬物療法です。BCR::ABL1蛋白にスイッチが入ることで病気が進んでいくCMLは、BCR::ABL1病であると言えます。
分子標的薬による薬物療法により、BCR::ABL1蛋白の働きを選択的にしっかりと抑えることで、身体の中にある白血病細胞の数を早く減らすことができます。白血病細胞を早く減らすと白血病細胞が悪性化するリスクが低くなるため、移行期や急性期へ進む可能性が低下します。
BCR::ABL1蛋白のポケットにしっかりとくっついて白血病細胞をできるだけ早く、確実に減らすことが大切です。