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ご監修:
福岡山王病院 膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター センター長/国際医療福祉大学 医学部 消化器内科学 教授
伊藤鉄英 先生
東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野 客員教授、名誉教授 石巻赤十字病院 学術顧問
笹野公伸 先生

インスリン

食事などが消化されて作られるブドウ糖の血液中の濃度(血糖値)が増加すると、膵臓の内分泌細胞から分泌されるホルモンで、食後に血糖値が上がらないように調節します。血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んで、活動エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンというものに変えて、エネルギーとして蓄える働きをします。インスリンが不足したり、うまく作用しないと、糖尿病の原因となります。

インターフェロン-α

ウイルスが感染したときなどに、白血球によって産生されるタンパクであり、抗ウイルス活性を持ちます。医薬品のインターフェロン-αは、肝炎の治療薬としてもよく使われており、腎がん、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫に対する抗腫瘍剤としても使用されます。

MRI(magnetic resonance imaging:核磁気共鳴画像法)

強い磁場と電波を使い体内の状態を断面像として描写する検査です。

ガストリン

消化管ホルモンのひとつであり、胃酸の分泌を促進して、食事の分解を助けます。食物が胃に入って、胃がアルカリ性になるとガストリンが分泌されます。食物の分解と消化が終わり、食物が胃から十二指腸に進んだ後、胃が酸性になると分泌が止まります。

グルカゴン

グルカゴンは血糖値が低下すると膵臓の内分泌細胞から分泌されるホルモンです。インスリンとは逆に血糖値の低下を抑制します。

クロモグラニンA

クロモグラニンAは、NETの細胞の分泌顆粒中に存在する特異的なタンパクです。血中に遊離されたクロモグラニンAはNETのホルモン分泌能を反映することから、よい腫瘍マーカーとなります。

CT(コンピューター断層撮影)

X線撮影によって得られた情報をコンピューターで処理して身体の断面の像を表示する装置。診断に必要な検査のひとつです。

Cペプチド抑制試験(インスリン分泌抑制試験)

インスリンを投与し、Cペプチドの分泌抑制を調べる試験。Cペプチドは、膵臓でプロインスリンという物質がインスリンに分解される過程で作られます。インスリノーマの患者さんのほとんどは、インスリン投与後もCペプチド分泌が抑制されずに高い値を示します。

生検(生検組織診断)

腫瘍組織の一部を採取して、病理組織学的な検査を行うことで、NETの診断では最も重要な検査となります。

絶食試験

24~72時間絶食して低血糖が起きるかどうか調べる検査。インスリノーマの患者さんでは、血糖が低下してもインスリンが過剰に分泌され続けるため、低血糖が起こります。絶食して24時間以内に80%、48時間以内で90%、72時間では100%のインスリノーマの患者さんで低血糖となり、症状が出ます。

セロトニン

約90%は消化管に存在し、消化管の運動に大きく関係しています。また、中枢神経系において、さまざまな情報を伝える神経伝達物質として働いたり、血小板凝集作用(血液がかたまるときの反応)にも関係しています。

選択的動脈内刺激薬注入法(SASI Test;selective arterial secretagogue injection test)

細い管(カテーテル)を用い、股の付け根の動脈から膵臓の各部位の細い動脈に少量の刺激薬(カルシウムなどのホルモン分泌を刺激する薬)を注入します。同じ股の付け根の静脈から肝静脈にカテーテルをもう1本入れて、刺激薬を入れる前と後で肝静脈の血液を採血してホルモンを測定します。ホルモンを分泌する腫瘍が栄養とする動脈から刺激薬を注入された場合は肝静脈血のホルモン値が40秒以内と急速に上昇しますが、それ以外の動脈から刺激薬を注入してもホルモン値は変化しません。この検査によって、NETの正確な場所、数などが診断できます。

組織学的分化度

がんの分化度が高いということは、正常組織の細胞の形や性質がよく保たれている、すなわち、細胞の構造や形の変化が正常と比べて少ないことを示します。逆に、元の細胞の特徴がほとんど見られず、がん腫特有の細胞の形で増殖するものは、分化度が低いと表現されます。一般に、低分化型のがん腫は、高分化型のものに比べて、悪性度が高く、増殖速度が速い傾向があります。また、最近ではKi-67/MIB-1という増殖している細胞だけに発現しているタンパクが出ている腫瘍細胞の数/割合を算出します。その数値で術後の再発/転移の有無を推察することも行われています。

ソマトスタチン

成長ホルモンなど種々のホルモンの分泌を抑制するホルモン。中枢神経系に広く分布し、消化管や膵の内分泌細胞にも存在します。

ソマトスタチン受容体シンチ(SRS;somatostatin receptor scintigraphy)

ソマトスタチンアナログに放射性同位元素(アイソトープという物質で放射線を出しますが、使う量がごく微量なためこの検査による障害はありません)を結合させた薬を注射してX線写真をとります。NETであるかどうか、またNETの正確な場所が分かる画像診断のひとつです。

内視鏡的超音波断層検査(EUS;endoscopic ultrasonography)

消化管内視鏡と超音波を組み合わせた装置。超音波(周波数が非常に高く耳に聞こえない音)の反射を利用して体内の断層像を表示します。消化管や隣接した膵、胆、リンパ節などを検査できます。がんの深さやリンパ節転移などが画像診断できます。

5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)

セロトニンの代謝物を測る検査。カルチノイド症候群の診断に用いられます。

ヒスタミン

ヒスタミンは、気管支の収縮などアレルギー反応を起こします。血液中のヒスタミンの大部分は肥満細胞の中に存在し、アレルゲンや薬剤の刺激を受けて放出されます。

VIP(血管作動性腸管ペプチド)

最初、血管に作用して、血管を広げ、血液の流れる量を増やす作用を持つホルモンとして発見されました。消化管組織に広く存在し、胃酸の分泌を抑制し、腸液の分泌を促進します。小腸から水と電解質の分泌を促進するなどさまざまな作用を持っています。

副甲状腺機能充進症

副甲状腺の腺腫、過形成、副甲状腺がんが原因で、副甲状腺から過剰に副甲状腺ホルモンが分泌され、働きすぎてしまう状態を原発性副甲状腺機能亢進症といいます。血中のカルシウム上昇、無機リン低下、アシドーシス(血液の酸性度が高くなりすぎた状態)などが現れます。腎結石や骨密度の低下が起こることがあります。