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50歳代 男性 H.T.さん

遺伝性のNET患者さん。
お父様の発症をきっかけに20年以上、闘病中。「きっかけは父の病気」

遺伝性のNET患者さん

「きっかけは父の病気」

父が検診で膵腫瘍が発見されたことがきっかけで、私も遺伝性のNETであることが発覚しました。父と同じ病気であると告知されたときは、頭の中が真っ白になりました。“これからどうしようか?”と不安に思いましたが、“この先生と一緒に治療しよう!”と決心して、主治医と手さぐりの治療が始まりました。すぐに病気の診断はついたものの、20年以上前でしたから、NETは非常にまれな疾患であり、日本には治療薬もない状態でした。海外から薬を個人輸入して治療したり、治験に参加したり、大変なことの連続でした。

「主治医と信頼関係を築くことが一番」

私が先生と出会えたのは幸運でした。先生と信頼関係がないと、治療はうまくいきません。病気の情報を集めることは大切ですが、先生へ不信感を持つようになっては逆にマイナスになります。先生を信用していたら、病気や治療・薬への不安などのストレスも軽減されると思います。また、NETのような希少な疾患は特に治療が難しいので、患者さん側も協力して先生を支える必要があると思います。
私が診断された当時はNETに関する情報はほとんどありませんでした。自分の病気を調べたいという気持ちはよく分かりますが、情報に一喜一憂せずに、先生と一緒に治療を行っていくことが一番重要だと思います。

「仕事は辞めずに」

病気を持ちながら仕事をすることは大変ですが、周囲のサポートを得ながら、仕事を続けています。私の場合は、父の代からの自営業で、病気のことをお客さん方にも打ち明けています。入退院を繰り返しているので、ご迷惑をかけることもありますが、長年お付き合いあるお客さん方にご協力いただいています。

「膵炎は痛い」

術後、膵炎を2回起こしましたが、非常に痛いですね。膵臓に負担をかけないように、食事で気をつけているのは、脂っこい食事を控えることです。以前は好きだったのですが、コーヒーや緑茶は止めました。わさびなどの香辛料も控えているので、お寿司はもっぱら“わさびの効いていない回転寿司”ですね。食事の面は家族が気をつけてくれていますが、病気になって、美味しいものをお腹いっぱい食べられなくなったのは、残念です。

「ボウリングは体調のバロメーター」

私は長年ボウリングを続けています。病気になった後も、体調と相談しながら、週末投げています。前回、腫瘍が見つかったのは、ボウリングをしているときに体の異変を感じたことがきっかけでした。体調の変化を訴え、検査を受けたところ腫瘍が発見されました。検査値に現れない小さな変化に気づいたことに、主治医も驚いていました。このごろは、朝もウォーキングをしています。

「ボーリングは体調のバロメーター」イメージ

"夢は叶えてきた"

夢は特にありません。“死ぬときは死ぬとき”と腹をくくって、後悔がないように、今まで自分の希望は実現してきました。NET治療に望むのは、副作用が少なく腫瘍を抑制できる新しい治療薬ができることです。抗がん剤の副作用に苦しむ患者さんを多く見てきましたので、少しでも患者さんの負担が減るといいなと思います。

※内容はインタビュー時のものです