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前立腺がん疾患情報サイト

監修:
久米 春喜 教授
(東京大学医学部泌尿器科学教室)

アンドロゲン

男性ホルモンおよびこれと同じ生理作用をもつ物質の総称で、前立腺がんの増殖にも関わる

遺伝子パネル検査

がんの性質を詳しく調べる検査。複数の遺伝子の変化を一度に調べ、新しい治療薬を選ぶ手がかりになることがある

医療ソーシャルワーカー

医療機関にいる福祉の専門家。患者さんやご家族が抱える経済的、心理的、社会的な問題(治療費、退院後の生活、気持ちの悩みなど)について、相談に乗ったり、情報提供や支援をしたりする

核医学治療

放射線を出す特殊な薬剤を体内に投与し、がんなど特定の病巣に集めて内側からがん細胞を破壊する治療法。前立腺がんにおいては、骨に集まりやすい性質を持つ薬剤や特定の分子を狙う薬剤が用いられる

緩和ケア

がんによるからだや心のつらさを和らげ、患者さんらしい生活を送れるように支えるためのケア。病気の段階に関わらず、いつでも受けることができる

がん診療連携拠点病院

専門的ながん治療を行うだけでなく、地域の医療機関と協力し、患者さんやご家族への相談支援、情報提供なども行う病院

がん相談支援センター

全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている、がんに関する悩みや疑問を無料で相談できる窓口。患者さんだけでなく、ご家族も利用可能

グリソンスコア

顕微鏡で見たがん細胞の悪性度を示す点数。前立腺生検(組織検査)で調べ、点数が高いほどがんの悪性度が高いと判断される。悪性度の低いものから順にパターン3~5に分け、最も多いパターンの組織型と次に多いパターンの組織型を足して、悪性度の判定に用いる。治療方針の決定に使われる重要な情報

外科的治療

手術で前立腺を取り除く治療法。がんの広がりや患者さんの体調に応じて選ばれる

骨シンチグラフィー

骨にがんが転移していないかなどを調べる検査。骨に集まるごく微量の放射性薬剤を注射し、専用のカメラで撮影する

個別化医療(プレシジョン・メディシン)

患者さん一人ひとりの体質やがんの遺伝子などの特徴に合わせて、最も効果が期待できる治療を選ぶ医療のこと

根治

がんが完全に消滅したと考えられる状態

コンパニオン診断

特定の治療薬がその患者さんに合っているかどうかを調べ、治療の選択に役立てる検査

再発

根治したと考えられたにもかかわらず、後に再びがんが現れること

再燃

病気の進行が一時的に止まっていたり、症状が軽くなったりしていたものが、再び進行し始めること

生涯罹患率

一生のうちに、その病気にかかる確率のこと

セカンドオピニオン

診断や治療方針について、現在診療を受けている主治医以外の別の医師に、意見や助言(第2の意見)を求めること

前立腺生検

前立腺がんであるかどうかを確定診断するために行う検査。超音波画像で前立腺を確認しながら、細い針で前立腺の組織を複数箇所から採取し、顕微鏡でがん細胞の有無などを調べる

超音波検査

超音波をからだの外からあてて、その跳ね返りを画像にする検査。からだへの負担が少なく、前立腺の大きさやがんの有無、形状などを確認するために使われる

直腸診

医師が手袋をした指を肛門から直腸に挿入し、前立腺の硬さやしこりなどの異常を触診する検査

転移

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣:げんぱつそう)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増殖すること

転移性去勢感受性前立腺がん

すでに前立腺がんが他臓器に転移しているが、男性ホルモンを下げる治療(去勢)が有効な状態

転移性去勢抵抗性前立腺がん

すでに前立腺がんが他臓器に転移しており、男性ホルモンを下げる治療(去勢)を行っても進行する状態

病期分類

がんの進行度(ステージ)を判断するための分類。がんの大きさ、リンパ節への転移、他の臓器への転移の有無などによって、ステージIからIVに分けられ、治療方針を決める際の重要な情報となる

分子標的薬

病気の原因となっているタンパク質など、特定の分子にだけ作用するように設計された治療薬

放射線療法

放射線を使ってがん細胞を攻撃する治療法。前立腺がんではからだの外から照射する方法とからだの中に放射線源を入れる方法がある

ホルモン療法

男性ホルモンの働きを抑えて前立腺がんの進行を抑える治療法。内分泌療法と呼ばれることもある

免疫療法

からだの免疫システムを活性化させたり、特定の免疫細胞を強化したりすることで、病気を治療する治療法

予後

病気や治療に関する医学的な見通しのこと。「予後がよい」はこれから病気がよくなる可能性が高く、「予後が悪い」は病状が悪化する可能性が高いことを指す。余命の意味で使われる場合もあるため、医師に確認が必要

英・数

CT検査

X線を使ってからだの断面画像を撮影する検査。前立腺がんの広がりや転移の有無を調べる際に用いられる

mCSPC

転移性去勢感受性前立腺がん。すでに前立腺がんが他臓器に転移しているが、男性ホルモンを下げる治療(去勢)が有効な状態

mCRPC

転移性去勢抵抗性前立腺がん。すでに前立腺がんが他臓器に転移しており、男性ホルモンを下げる治療(去勢)を行っても進行する状態

MRI検査

磁場と電磁波を利用して体内の臓器や組織の詳細な画像を撮影する検査。前立腺がんの存在や広がりの確認、病期の判定に用いられる

PSA

前立腺特異抗原。PSAは前立腺でつくられるタンパク質の一種で、血液検査で調べることができる。前立腺がんの腫瘍マーカー(がんの目安となる物質)として、前立腺がんの可能性の検討や、治療効果の確認などに用いられる

PSMA

前立腺特異的膜抗原。前立腺の細胞ががんになると強く発現し、特に悪性度が高かったり進行性に転移したりすると数十~百倍も強く発現する

PSMA-PET検査

PSMAに結合する放射性薬剤を用いて、PET(陽電子放出断層撮影)で前立腺がんの存在や転移を高感度に検出する検査。特に再発や転移の評価に有用

Shared Decision Making(シェアード・ディシジョン・メイキング:SDM)

患者さんやご家族と医療者が、それぞれの考えや情報を共有し、話し合いながら治療方針を決定するプロセスのこと

TNM分類

がんの進行度(ステージ)を評価するための国際的な分類法。「T(腫瘍の広がり)」「N(リンパ節への転移の有無)」「M(他の臓器への転移の有無)」の3つの要素で、がんの進行度を詳細に分類する。治療方針の決定に使われる重要な情報

5年生存率

がんと診断された人のうち、診断から5年後に生存している人の割合。治療の効果や病気の進行度をみる目安のひとつになる

あわせて知っていただきたい情報