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慢性骨髄性白血病(CML)の情報サイト

監修:
松村 到先生
(近畿大学医学部 血液・膠原病内科)

骨髄性白血病には急性のものと慢性のものとがあり、慢性の骨髄性白血病であるCMLの特徴は白血病細胞の増え方がゆっくりであることです。CMLの慢性期・移行期・急性転化期(急性期)にどんな変化が起こっていて、どんな症状が現れるのか解説したページです。

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CMLの慢性期のイメージ

慢性期は白血病細胞が骨髄の中でゆっくりと増えていく期間で、治療をしない場合、およそ5年から6年続きます。白血病細胞は骨の中心部にある骨髄というところでつくられ、血液中に送り出されます。慢性期の白血病細胞は、がん化していても機能は正常な血液細胞とほぼ同じです。
ただし、増殖する能力が高く、特に白血球がどんどん増えるため血液検査では白血球数の値が高くなります。
正常な血液細胞は、私たちの身体の中で病原体の侵入から身体を守ったり、全身に酸素を運んだり、出血を止めたりというはたらきを担っています。
慢性期で自覚される症状は、ほとんどありません。それは白血病細胞が増えても、正常な血液細胞とほぼ同じ機能を持っているからです。
最近では、健康診断で見つかるような症状のない方もたくさんおられます。しかし、白血病細胞で骨髄がいっぱいになってくると、だるさや微熱を感じたり、体重が減ったりするといった症状が現れることがあります。

CML(慢性骨髄性白血病)の移行期とは

CMLの移行期のイメージ

移行期では、骨髄の中で未熟な白血病細胞である「芽球」が増えてきます。また、白血病細胞がさらに悪性化し、増殖する能力がより高く薬が効きにくいものになります。
移行期の期間はおよそ6カ月から9カ月で、その後、骨髄の中が悪性化した芽球でいっぱいになってしまう急性期へと進行してしまいます。
正常の芽球は骨髄の中で成熟して、血液細胞として機能できる状態になってから血液中に出て行きます。一方、移行期および急性期の白血病の芽球は成熟する能力を失っています。
芽球が増えると、芽球は成熟しないため貧血が現れてきます。さらに白血球も増えてくるので全身のだるさや発熱、脾臓が腫れておなかが張るなどの症状が現れます。

CML(慢性骨髄性白血病)の急性期とは

CMLの急性期のイメージ

急性期では骨髄は悪性化した芽球で一杯になり、血液中にも芽球が増加します。機能を持っている血液細胞が減ってしまうので、症状としては強い貧血や高熱、出血しやすくなるなどの症状が現れます。
移行期や急性期になると、白血病細胞がこれまで有効であった分子標的治療薬にも抵抗性を示すので、より強いお薬を使ったり造血幹細胞移植をしたりしても病気をコントロールすることは難しくなります。
CML治療では慢性期を維持することがとても大切です。慢性期の早いうちから白血病細胞の増殖をしっかりと抑えて、数を減らす治療を行うことで正常な血液細胞をつくる仕組みを回復させて、より正常に近い骨髄の状態に戻すことができます。