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慢性骨髄性白血病(CML)の情報サイト

慢性骨髄性白血病(CML)治療をはじめる方のために、CMLの自覚症状、「慢性」「急性」白血病の違い、BCR::ABL1遺伝子とは何か、分子標的治療薬の発展の歴史、セカンドオピニオンなどについての疑問にお答えしたページです。

Q. CMLと診断されましたが、自覚症状がなく、病気のような気がしないのでかえって不安です。これから自覚症状があらわれてくるのでしょうか?

CMLは、血液細胞ががん化した「白血病細胞」が、骨髄で異常に増殖するために、スペースが足りなくなり正常な機能を持った血液細胞がだんだんとつくられなくなっていく病気です。
慢性期のはじめのうちは、正常な機能をもった血液細胞がまだ一定量あるため、自覚症状はほとんどあらわれない方が多いです。
これから症状があらわれることを心配されていらっしゃるようですが、主治医の指示どおりに治療と検査を受けて、白血病細胞を減らしていくことができれば、CMLは症状がほとんどないまま、慢性期をずっと維持することができる病気です。
CMLがどういう病気かについては、「動画でわかるCMLの基礎知識」のコーナーでも動画でご紹介していますので、ご覧になってみてください。

監修:中前 博久先生(大阪市立大学大学院 医学研究科 血液腫瘍制御学)

Q. 白血病には「慢性」とつくものと「急性」とつくものがありますが、どうちがうのでしょうか?

病気の成り立ちが異なります。
白血病は、血液細胞ががん化した「白血病細胞」が増殖する病気ですが、血液細胞の機能をもたない未熟な若い白血病細胞(芽球)のみが増加するものを「急性」白血病といい、未熟なものから成熟した(血液細胞の機能をもつ)ものまで、すべての白血病細胞が増加するものを「慢性」白血病といいます。
慢性白血病の急性期を「急性」白血病というのではありません。

監修:木崎 昌弘先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

Q.BCR::ABL1遺伝子変異の検査をすることになったのですが、遺伝子変異がある、ということは何を意味するのでしょうか?

何らかの原因により、遺伝子の構造に物理的変化が起こることを「変異」といいます。変異したBCR::ABL1遺伝子からは、変形したBCR::ABL1蛋白がつくられます。
分子標的治療薬はBCR::ABL1蛋白にくっついて効果を発揮しますが、変形のある蛋白にはうまくお薬がくっつくことができず、治療効果が得られにくいことがあります。
そのため、治療効果が予想通りに得られない場合などに、BCR::ABL1遺伝子変異がある可能性があるため、検査をします。変異にはいくつか種類があり、お薬ごとに効きやすさが多少異なるため、BCR::ABL1遺伝子変異の種類によって、お薬の変更を検討することがあります。

監修:木崎 昌弘先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

Q. 以前、造血幹細胞移植を受けました。もしCMLが再発した場合、治療の方法はあるのでしょうか?

造血幹細胞移植後にCMLが再発した場合は、病気の状態によりドナーリンパ球輸注(同じドナーの方からリンパ球を移植し、再発した白血病細胞を攻撃させる治療)、分子標的治療薬、化学療法などが行われます。

監修:木崎 昌弘先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

Q. CML治療は、治癒を目指せるのでしょうか?

現在、CMLの治療で治癒を目指せることがわかっている治療法は造血幹細胞移植のみで、他の治療法はお薬による治療となり、分子遺伝学的大奏効(MMR:Major Molecular Response)や分子遺伝学的に深い奏効(DMR: Deep Molecular Response)を目指して行います。
今後、お薬による治療で治癒を目指すことができるようになるか否かについて、現在さまざまな研究が進められています。

監修:木崎 昌弘先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

Q. CMLと診断されたのですが、他の医師にセカンドオピニオンを求めてもよいでしょうか?

セカンドオピニオンとは、主治医以外の専門医に、診断や治療法について意見を求めることです。最近は「セカンドオピニオン外来」等のある医療施設の増加とともに、医師も、セカンドオピニオンを求めることを患者さんの権利だととらえるようになってきました。
一般に、セカンドオピニオンでは検査や治療は行われないので、病気の状態を正確に伝えるために、主治医からの情報提供書を持参することが必要です。そして得られた意見は、納得のいく治療につなげるためにもきちんと主治医に伝えましょう。

監修:木崎 昌弘先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

Q. 病気に関する情報はどのように集めればよいでしょうか?

CMLの情報を得る方法としては、患者会のウェブサイトや会合、製薬会社の疾患ウェブサイト・冊子、患者さんのブログなどが多いようです。
患者会は、同じような病気を持つほかの患者さんと、悩みや体験を語り合い、分かち合うことで、病気と向き合っていこうとする場です。
多くは特定の地域を中心に組織されていますが、日本全国を対象に活動している会もあります。専門家を迎えての講演会や自主的な勉強会、会報誌の発行、ウェブサイトによる情報提供などが行われており、治験や新薬についての情報を提供していることもあります。
最新の会合については、ウェブサイトで告知をしていることが多いようです。興味のある方は、担当医やソーシャルワーカー、インターネットを利用して、最寄の患者会について確認してみるとよいでしょう。
製薬会社から提供される情報としては、このようなインターネットサイトの他に病気やお薬についてわかりやすく説明した無料の冊子が医療機関に用意されているので、ご興味がある場合は、担当医や看護師などの医療スタッフに尋ねてみるとよいでしょう。

監修:岡田 昌也先生(関西医科大学総合医療センター 血液腫瘍内科)

Q. 分子標的治療薬によるCMLの治療は、どのように発展してきたのでしょうか?

分子標的治療薬によるCMLの治療は、BCR::ABL1遺伝子からつくられる「BCR::ABL1蛋白」のはたらきを抑えて白血病細胞を減らすことを目的としています。
BCR::ABL1遺伝子はフィラデルフィア染色体上にあることが知られていますが、このフィラデルフィア染色体は1960年に米国・フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学の2人の研究者によってCMLに特徴的な染色体異常として初めて報告されました。その後1973年にJanet Rowley氏(シカゴ大学)によって9番染色体と22番染色体が入れ替わってつながったものであることが明らかにされました。そして、ふたつの染色体がつながるとき、それぞれの切り口にあったBCR遺伝子とABL1遺伝子がひとつになり(融合し)、BCR::ABL1遺伝子が新しくでき、この遺伝子こそが、CMLの原因遺伝子であることが明らかになり、この発見はCML研究に大きな転換点となりました。

BCR-ABL遺伝子
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また、現在の分子標的治療薬によるCML治療を世に出すために貢献したのは、Brian Druker氏(オレゴン健康科学大学)です。Druker氏はBCR::ABL1蛋白のはたらきを選択的に抑える分子標的治療薬がCMLに効果があると信じ、臨床研究を重ね世の中に発表しました。1999年の第41回米国血液学会では、分子標的治療薬により、96%のCML患者に血液学的奏効が得られ、細胞遺伝学的奏効も認められるという、当時としては衝撃的な発表がDruker氏によってなされました。

Rowley氏とDruker氏の研究は、「CMLの診断と治療の著しい成果向上」に貢献したと認められ、2011年アメリカ血液学会(ASH)において”ERNEST BEUTLER LECTURE AND PRIZE”を受賞しました。
さらに、2012年にはがん特異的分子を標的とした新しい治療薬を開発したことが、科学技術の進歩と人類の平和と繁栄へ寄与するとして、Rowley氏とDruker氏及びCML治療薬をDruker氏とともに開発したLydon氏が日本国際賞(「健康、医療技術」分野)を受賞しました。

監修:三谷 絹子先生(獨協医科大学 血液・腫瘍内科)

Druker氏

Q. どのような人がCMLになりやすいのでしょうか?

CMLはすべての年齢層で発症しますが、中年以降に多くみられ、発症年齢中央値は53歳でやや男性に多い病気です[1]
CMLの病因はよく分かっていません。ただ、放射線被爆後にCML発症が増加したことが知られており、放射線被爆とCML発症には関係があると考えられています。しかし、ほとんどの例では原因の特定は困難です。

監修:目黒 邦昭先生(国立病院機構仙台医療センター 血液内科)

Q. CMLには、「ステージⅠ」「Ⅰ期」のような分類はないのですか?

CMLには「ステージⅠ」「Ⅰ期」のようなステージ分類はありません。一方、病気の進行度によって、慢性期、移行期、急性期(急性転化期)の3期に分けられます。

慢性期は、白血病細胞が骨髄の中でゆっくりと増えていく期間です。慢性期の白血病細胞は、がん化していても正常細胞と同程度の機能を持っているため、ほとんど症状がなく安定した状態です。しかし、治療をしなければ移行期・急性期に進行します。
移行期では、骨髄の中で未熟な白血病細胞である「芽球」が増えてきます。白血病細胞の染色体・遺伝子にさらなる異常が発生することで白血病細胞がますます悪性化していきます。その結果、増殖する能力がより高く、薬が効きにくくなるため、病気の進行は加速し、貧血・微熱が現れ、脾臓の腫れが進みます。
急性期では、骨髄の中が悪性化した芽球でいっぱいになり血液中にも出てきます。一方で正常細胞と同様の機能を持った血液細胞は減ってしまい、貧血・出血傾向が強く、高熱などが出現し急速に病気が進行します。

詳しくは、「慢性期、移行期、急性期とは?」をご覧ください。

監修:永井 正先生(日本赤十字社 栃木県赤十字血液センター)

  1. 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター.