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乳がんの情報サイト

監修:
聖路加国際病院 乳腺外科部長・ブレストセンター長
山内 英子 先生

Q1. 遠くに住む母は、胸に少し痛みがあると「再発したのではないか」と心配になるようで、私や、私の兄弟のところに頻繁に電話がかかってきます。どのように接すればよいでしょうか。

患者さんが抱える不安の中でも再発が占める割合は大きいものです。誰かに話すことで気持ちが少し楽になるはずですから、ご家族の心に余裕があるときには、耳を傾けて受け止めてあげましょう。

大半の患者さんは、がんと診断されたときから再発や転移のことを考えてしまい、不安や恐怖に苛まれるといわれています。それだけ患者さんが抱える不安の中でも再発が占める割合は大きく、体のどこかに痛みがあると再発したのではないかと不安になってしまうのも無理はありません。患者さんはその不安を話すことで気持ちが少し楽になるはずですから、ご家族の心に余裕があるときには、耳を傾けて受け止めてあげましょう。

ただ、担当医の診察を速やかに受けたほうがよい場合もあるので、①どのようなときに痛むのか、②いつ頃から痛むのか、③どんな痛みなのか(痛み止めを飲む必要があるくらいの強い痛みなのか、慢性的に痛むのか)、④どのくらい続いているのか、⑤以前にも同じような痛みはあったのか、⑥痛みの原因で考えられることはあるかなど、症状や状況について患者さんと一緒に整理しましょう。このような作業を通して客観的に判断することで、患者さんが冷静になれることもあります。大切なことは、その痛みが本当に再発からくる痛みなのかどうかを、客観的に見極め、それに沿った対処をすることです。

また、患者さんの中には闘病記を読んだり、がん患者の交流会で同じ病気と闘っている人の悩みを聞いたりしているうちに再発の恐怖に苦しんでいるのは自分だけではないことがわかり、気持ちが落ち着いたという人もいます。患者さんの精神的な状況に応じて、家族が闘病記を取り寄せてみたり、がん患者の交流会に参加することを勧めたりするのもよいかもしれません。がん診療連携拠点病院では、がん患者さんが交流できる場所として「がん患者サロン」を定期的に開催している施設が増えています。近くにあるがん診療連携拠点病院に問い合わせてみましょう。

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がん患者さんの心の状態やケアについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんと心
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:家族向けの心のケアの情報

がんの闘病記について検索したいのなら
NPO法人連想出版「闘病記ライブラリー」

がん診療連携拠点病院の所在について知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がん診療連携拠点病院の情報

Q2. 治療後に運動をしてもよいですか。

担当医に相談のうえ、適度な運動を。治療後の体力の回復や気分転換、リラックスに役立ちます。

体力を回復させたり、維持したりするために、適度な運動は大切です。とくに入退院の前後では運動量が落ち、体力も低下しやすいので、無理のない範囲で軽い運動を行い、少しずつ体力をつけたいものです。

担当医から運動の許可が下りたら、家の中で、その場での足踏み、深い呼吸の繰り返しなど簡単な動きから始めてみましょう。家事の量を少しずつ増やしていくだけでもよい運動になります。体力が回復してきたら、短時間の散歩などに出てみましょう。患者さんが外に出るのを怖がったり、億劫がったりしているようなら、最初はご家族が付き添われるとお互いに安心です。

また、筋肉を伸縮させるストレッチで体をほぐし、心身をリラックスさせることもよいでしょう。肩や腕を動かす運動、胸や背中の筋肉を伸ばす運動は、乳がんの手術後のリハビリテーションとしても最適です。ただし、方法はリハビリ医や看護師、理学療法士などに正しく教えてもらいましょう。

もちろん、体調が悪いときには無理に運動しないことが大事です。

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療養中の運動について知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:患者必携 がんになったら手にとるガイド「体調を整えるには」

Q3. 手術後の経過観察期間には、全身の検査は、どのくらいの頻度で受ければよいでしょうか。いつまで病院にかかる必要がありますか。

担当医の指示に従い、定期的に診察や検査を受けます。乳がんでは約10年間は経過観察します。

治療を終えて間もない時期は、病状や治療の効果や副作用を確認するために1~2週間に一度、あるいは1か月に一度と頻回に診察を受けることになります。ただし、検査は最初の1年は3か月から半年に一度、その後は1年に1回くらいの頻度になり、だんだん間隔が開いていきます。診察や検査の頻度および内容は病状や治療方法、治療の結果によっても異なりますので、担当医の指示に従いましょう。

乳がんは10年以上経過しても、稀に再発するケースがあるため、長期にわたる経過観察が必要です。反対側の乳房にがんができることもあるため、反対側の乳房のマンモグラフィー検査なども行われます。

また、定期的な診察や検査の時期でなくても、気になる症状があれば速やかに受診しましょう。

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乳がんについて知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:乳がん

Q4. 妻は体調を取り戻してきたようですが、日常生活で気をつけることは何ですか。また、 性生活を再開させてもよいですか。

規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な休養と睡眠に留意します。性生活は夫婦で率直に話し合い、患者さんの気持ちを大事にしながら、ゆっくり再開しましょう。

体調管理の基本は、①規則正しい生活、②バランスの取れた食事、③十分な休養と睡眠といわれています。体調が戻ったあとも健康を保つために、これらの点を留意しましょう。さらに手洗いやうがいなどの感染防止、ストレスの発散などに努めることも大切です。また、適度な運動は体力の維持や回復に役立つといわれています。最初は短時間の散歩で十分なので、患者さんを誘って一緒に出かけてみましょう。

性生活については、夫婦で率直に話し合い、患者さんに自分らしい生活を取り戻したいという心のゆとりがあるようなら、再開させてもよいでしょう。患者さんの気持ちを大事にゆっくり進めましょう。最初は以前のようにいかない可能性もありますが、性交に至らなくても手をつなぐ、優しく抱き合う、背中や手足をマッサージするなどのスキンシップを行うことによりお互いのぬくもりを感じられることもあります。一般的な性生活にこだわらず、二人の絆を確かめられる方法を夫婦で探してみましょう。

性生活について困ったことがあれば、がん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センターの看護師に電話をかけるのも1つの解決法です。顔が見えず匿名性が高いので、対面では聞きにくいことを相談できるメリットがあります。

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体調管理のポイントについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:患者必携 がんになったら手にとるガイド「体調を整えるには」

相談支援センターの所在について知りたいのなら
「がん情報サービス」:相談支援センターの情報

Q5. 西洋医学は副作用が怖いので、補完代替療法を受けさせてもよいでしょうか。

補完代替療法は、がんの治療法として効果があると科学的に証明されたものはありません。信頼できる情報源から正しい情報を集めたうえで、担当医に必ず相談し、患者さんにとって本当に必要なものなのかどうかを慎重に考えましょう。

補完代替療法とは、手術や化学療法、放射線療法など、いわゆる西洋医学で行われる治療を補ったり、その代わりに行ったりする医療のことです。健康食品やサプリメント、鍼灸、マッサージ療法、運動療法、心理療法、心身療法など、さまざまな方法があります。

ただ、現段階では、がんの治療法として効果がある(生存率を上げる)と科学的に証明されたものはありません。がんそのものによる痛みや、西洋医学の治療による副作用を和らげるために使用することを推奨した研究やガイドラインもありません。

また、補完代替療法の中には、西洋医学と併用することによって治療の効果を弱めたり、体に思いもよらない害を与えたりするものもあります。補完代替療法を利用したいときは、信頼できる情報源(下記リンク参照)から正しい情報を集めたうえで、担当医に必ず相談し、患者さんにとって本当に必要なものなのかどうかを慎重に考えましょう。

なお、西洋医学にかぎらず、治療には副作用がつきものです。それは補完代替療法も例外ではありません。がん治療の主流である西洋医学の治療(化学療法、放射線療法)による副作用については、近年、さまざまな対策(支持療法)が講じられるようになり、以前よりも苦痛を軽減できるようになりました。治療による副作用が心配なときは、担当医、看護師に相談するようにしましょう。

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補完代替療法について詳しく知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんになったら手にとるガイド 補完代替療法を考える
「がん情報サービス」:代替療法(健康食品やサプリメント)
厚生労働省がん研究助成金「補完代替医療」(がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究班)

Q6. 再発をしないためには何を食べればよいですか。がんに効果のある健康食品やサプリメントにはどのようなものがありますか。

米国対がん協会の報告書では、再発予防には「野菜と果物」を十分に食べることが望ましいとされていますが、サプリメントを使って大量に取ることは慎重に行うようにアドバイスしています。

再発を防ぐための効果的な食品は、誰もが知りたい情報の1つです。こうしたニーズを反映し、がんの治療効果をうたった、さまざまな健康食品やサプリメントが売り出されています。しかし、実際には体験談のみで科学的に検証されていないものが多いのが現状です。「○○で治る」といった断定型の表現には注意しましょう。

国立がん研究センターがん対策情報センターのウェブサイト「がん情報サービス」では、食事療法などの生活習慣とがん患者の健康状態の関係性を調査した研究論文をまとめた米国対がん協会の報告書を紹介しています。報告書では乳がんについても取り上げており、乳がんの再発を予防するライフスタイルとして望ましいのは、治療中と治療後は「健康体重の維持」に努めて肥満を避け、同時に「野菜と果物」の摂取量を増やすこと、そして、治療後は「運動の増加」を心がけることとされています。ただし、野菜と果物の摂取量を増やす際に、サプリメントを使って大量に取ることは慎重に行うようにアドバイスしています。

健康食品やサプリメントを利用したい場合は、信頼できる情報源(下記リンク参照)から正しい情報を集めたうえで、担当医に必ず相談し、患者さんにとって本当に必要なものなのかどうかを検討するようにしましょう。

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がんと食事について詳しく知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんとつき合う 食生活とがん がんと食事について

Q7. 漢方薬は、再発の予防に効きますか。

漢方薬は体の調子を整えたり、苦痛を和らげたりする働きがありますが、ほかの薬剤と併用すると思わぬ反応を引き起こすこともあります。利用する場合は必ず担当医に相談しましょう。

漢方薬は補完代替療法の一つに位置づけられるもので、体の調子を整えたり、がんそのものによる、あるいは西洋医学の治療によって起こる苦痛を和らげたりする働きがあります。近年、「漢方外来」を開設するがん専門病院が少しずつ増えていますが、そこで行われているのは再発予防というよりも漢方治療が得意とする体調の回復や、従来の治療法では治りにくい症状(食欲がない、体が重い、吐き気が取れない、よく眠れないなど)を改善することが主流のようです。

また、漢方薬もほかの薬剤との飲み合わせによって体に思わぬ反応を引き起こすことがあります。患者さんや家族の中には漢方薬を試してみたいと考える人も少なくないですが、治療中に漢方薬を利用する場合は必ず担当医に相談しましょう。

なお、漢方外来などの情報を入手したい場合は、がん診療連携拠点病院の中に設置されている相談支援センターに問い合わせてみるのも一つの方法です。

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補完代替療法について詳しく知りたいのなら
厚生労働省がん研究助成金「補完代替医療」(がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究班)

相談支援センターの所在について知りたいのなら
「がん情報サービス」:相談支援センターの情報

Q8. 治療が一段落したので新しく仕事を探そうと思っています。がん経験者向けの求人システム、または相談先はありますか?

治療が一段落したとのこと、よかったですね。
がん経験者が仕事を探していくうえで、利用できる公的な機関として、「ハローワーク」があります。
ハローワークでは、平成28年度から、「長期療養者等に対する就職支援事業」を全国で展開しています。これは、がんや肝炎・糖尿病など、治療が長期間にわたることで、働きながら治療をしていく方を支援するサービスです。具体的には次のとおりです。

がん診療連携拠点病院の最寄りのハローワークに、専任の「就職支援ナビゲータ-」が配置されています。そしてそのナビゲータ-が、がん患者さんのそれぞれの希望や治療状況を踏まえて、職業に関する相談や、職業紹介を行うというサービスです。
地域によっては、がん診療連携拠点病院に出張相談の窓口を開設している場合もありますので、お近くのがん診療拠点病院や、ハローワークに確認してください。なお、いずれも無料で利用できます。

最近は徐々に認知度もあがり、実際にこのサービスを利用して就職されている方も増えてきています。がんになったからと言って決して諦めないでくださいね。

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長期にわたる治療等が必要な疾病をもつ求職者に対する就職支援事業
事業実施安定所及び連携先拠点病院一覧 (平成28年度)

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