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乳がんの情報サイト

監修:
聖路加国際病院 乳腺外科部長・ブレストセンター長
山内 英子 先生

Q1. 患者本人も含め、家族の中で治療に対する意見が分かれています。どうすればよいでしょうか。

Q2. セカンド・オピニオンとは何ですか。

Q3. ホルモン療法とは、どのような治療法ですか。

Q4. 乳がんという診断を受けた後、母がよく眠れないようで気分も塞ぎ込んでいます。家族が言ってはいけない言葉はありますか。

Q5. セカンド・オピニオンを受けたいのですが、担当医に言い出せません。どうすればよいですか。

Q6. 同居する義母が乳がんになりました。小学生と中学生の子ども(孫)にも、本当のことを伝えたほうがよいでしょうか。

Q7. 再発が見つかりました。これからどのような治療が行われていくのでしょうか。

Q8. 放射線療法とは、どのような治療法ですか。

Q9. 治療を受けながら母の生活がどのように変わっていくのか不安です。以前と同じような日常生活を送れるのでしょうか。

Q10. 本人が迷惑をかけたくないと、家族の助けを嫌います。どのようにサポートすればよいでしょうか。

Q11. ホスピス(緩和ケア病棟)は、どのようなタイミングで利用するのがよいですか。

Q12. がんの症状が進行し、だんだん食べられなくなりました。それを見ているのがつらいです。点滴で栄養を補給したほうがよいですか。

Q13. 今の病院では診断結果が出るのに時間がかかりそうです。もっと早く診断をつけてくれる病院に移るためには、どのような方法がありますか。

Q14. 病状が進行し、受けられる治療法の選択肢がわずかしかありません。どうすればよいでしょうか。

Q15. 治療後に運動をしてもよいですか。

Q16. 再発を告げられ、落ち込んでいる母に、どのような言葉をかければよいのでしょうか。

Q17. 担当医に「治療法がない」と言われました。この先、どうすればよいですか。

Q18. がんの確定診断を受けた病院で、そのまま治療を受けてもよいですか。

Q19. ターミナルを迎えた母にとってホスピスに入院したほうが楽に過ごせるでしょうか。

Q20. 担当医が忙しくて聞きたいことがあっても気兼ねします。どうすればよいですか。

Q21. 積極的治療が受けられなくなり、うつ状態になっているようです。家族はどうすればよいでしょうか。

Q22. ワクチン療法のような免疫療法を受けたいのですが、どうすればよいのでしょうか。

Q23. テレビで紹介されていた治療法を受けさせたいと考えていますが、どうすればよいでしょうか。

Q24. 転院が続くと、乳がんの母を支える私でさえ医師や病院から見捨てられたように感じます。患者本人はさらに孤独感を増しているようです。どのように医師や医療機関とつながればよいでしょうか。

Q1. 患者本人も含め、家族の中で治療に対する意見が分かれています。どうすればよいでしょうか。

持っている情報や理解度に差があるのかもしれません。まずは家族で情報共有を。

まず、患者さんや家族の間でそれぞれがどんな意見を持っているのか、どこが異なっているのかを整理してみましょう。そして、その治療法を推す理由もはっきりさせたうえで、再度話し合ってみると、実は同じように考えていたことがわかるかもしれません。

がんの告知や治療が進む中で、患者さんと家族は一緒に落ち込み、ときには冷静さを失ってしまいます。そのときの状況によって、意見や思いは変わるということも覚えておきたいものです。

家族の意見が分かれる原因の一つに、医療者から受け取っている情報量や理解度の差があります。患者さんは診察や病状の説明のときには緊張や不安で大事な情報を聞き逃したり、聞き間違えたりすることもよくあります。録音したり、家族が同席してメモを取ったりして、正確な情報をベースに治療法を話し合います。家族間で情報を共有することも重要です。連絡帳を用意し、医療者から提供された情報を書き留め、家族全員が患者さんの状況を把握できるようにしましょう。

また、舵取りをする船頭が多いと、舟はなかなか前に進みません。家族の中で舵取り役となるキーパーソンを決め、担当医や看護師にもキーパーソンは誰かを伝えましょう。患者さんの思いを聞く人、医療の情報を集める人など、家族間で緩やかに役割分担をしておくのもいいでしょう。

意見が食い違う背景には、お互いに口に出さないものの、医療スタッフへの信頼感の違いや経済的な心配などが隠れている場合もあります。意見の違いの根本にあるものを少し考えてみてもいいかもしれません。

患者さんと家族、あるいは家族の間で意見が対立すると、患者さんは本音を言えなくなることがあります。そういう様子が見られたら、看護師や担当医などに入ってもらい、家族がいない場所で話を聞いてもらいます。

治療を受けるのは患者さん本人であり、がんへの向き合い方は人によって異なります。最終的には患者さんの意思を尊重することが大事です。担当医と一緒に、時間をかけてよく話し合いましょう。

患者さんにとって何よりも大切なのは、家族からの「あなたには私たちがついているよ」というメッセージ、そしていつでも話を聞いてもらえるという安心感です。

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Q2. セカンド・オピニオンとは何ですか。

納得して治療を選べるように、別の医師の意見を聞くことです。担当医の方針と別の医師の意見が異なる場合は、もう一度、担当医とよく話し合うことが大切です。

セカンド・オピニオンとは、治療を始める前に、診断や治療法、治療の計画について、担当医とは別の医師の意見を聞くことです。より多くの情報が得られ、患者さんが自分に最も合った治療法や医療機関を納得して選ぶことができます。

診断時の進行期にもよりますが、乳がんは比較的進行がゆっくりしているので、セカンド・オピニオンを受けた後で治療法を選択するという時間が持てる場合がほとんどです。

ただ、患者さんが自分の病状や進行度、担当医の治療方針を把握しないまま、セカンド・オピニオンを受けてもあまり参考にならないので、これらの点についてしっかり理解したうえで、セカンド・オピニオンを受けるようにしましょう。もし患者さんが別の医師の意見を聞くことに気が進まないなら、周囲の人はその気持ちを尊重すべきです。

セカンド・オピニオンを聞きに行く場合には、担当医に診察の記録や検査結果を出してもらう必要があります。

セカンド・オピニオンを受けられる医療機関は、各地のがん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センターや患者団体に聞くとよいでしょう。手術に関して聞きたいなら外科医に、抗がん剤治療(化学療法)の選択肢を知りたいなら腫瘍内科医にと、意見を聞く医師を選ぶことも大事です。なお、セカンド・オピニオンの費用は、健康保険が適応されず、全額自己負担になります。

担当医の方針とセカンド・オピニオンが異なった場合には、まずは担当医と話し合うことが大切です。セカンド・オピニオンの目的は転院をするためではなく、あくまでも納得したうえで治療法や医療機関を選択することです。

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Q3. ホルモン療法とは、どのような治療法ですか。

女性ホルモンに影響される(感受性のある)乳がんに対して行われる、女性ホルモンを抑える薬を服用する治療法です。

乳がん患者さんの6~7割は、女性ホルモンによって、がんが増殖しやすくなっています(「ホルモン感受性乳がん」「ホルモン依存性乳がん」)。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、卵巣の機能が正常で月経がきちんと来る女性では、エストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されており、閉経前後や閉経してからは、副腎から分泌される男性ホルモンをアロマターゼという酵素がエストロゲンに変えています。そこで、乳がんでは組織診や手術で切除したがんから、これらの女性ホルモンと結合する受容体があるかどうかを調べ、女性ホルモンに影響されやすいかどうかをおおよそ判断します。

ホルモン感受性乳がんであれば、女性ホルモンを抑制するホルモン療法が効果があります。ホルモン療法では、年齢や影響している女性ホルモンに応じて、抗エストロゲン薬や選択的アロマターゼ阻害薬、黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制薬などが使われます。

ホルモン療法は長期間にわたることが多く、ほてりやむくみ、体重増加など、いわゆる更年期障害に似た副作用が起こります。また、抗エストロゲン薬の長期使用で血栓症や子宮がんのリスクが上がり、選択的アロマターゼ阻害剤で骨粗鬆症のリスクが上がることが知られています。

患者さんも家族もホルモン療法の意味と副作用についてきちんと理解しておきましょう。

また、副作用は早めに対応することが大切です。気になる症状が見られたら、担当医、看護師、薬剤師に相談しましょう。

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Q4. 乳がんという診断を受けた後、母がよく眠れないようで気分も塞ぎ込んでいます。家族が言ってはいけない言葉はありますか。

乳がんの診断後2週間を過ぎると、患者さんの心は少しずつ落ち着きを取り戻してきます。励ましの言葉を慎み、見守ることが大切です。いつまでも状態が改善しないときは心の専門家のサポートを受けることも考えましょう。

乳がんと診断された患者さんの心を最初に襲うのは強い衝撃だといわれています。診断時の経験を振り返り、患者さんの多くは「頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなった」と語ります。そして時間が少し経つと、患者さんの心は乳がんの治療や今後の生活に対する強い不安を感じたり、「なぜ、私だけが乳がんになってしまったのか」と憂うつな気分に見舞われたりします。また、物事に集中できない、眠れない、食欲がない、息苦しいといった身体的な症状を伴うこともあります。

しかし、このような心や身体の反応は誰にでも見られることです。一般的には2週間ほどで患者さんの心は少しずつ落ち着きを取り戻すといわれ、それまでの間は「頑張れ」といった励ましの言葉は慎み、温かく見守るようにしたいものです。2週間以上経っても気分の落ち込みや眠れないといった症状が改善しないときは、心の専門家(精神腫瘍医、精神科医、心療内科医、臨床心理士など)のサポートを受けることを考えてもよいでしょう。

また、乳がんの発症から数年が経過しても、患者さんの心は前に進んだり後戻りしたりしながら、常に揺れ動いています。気持ちが安定しないことを理解したうえで、普段どおりに接することも大切です。

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Q5. セカンド・オピニオンを受けたいのですが、担当医に言い出せません。どうすればよいですか。

よりセカンド・オピニオンを効果的に受けるためにも、担当医とじっくり話し合い、病状や病態を把握したうえで、依頼してみましょう。

担当医に気兼ねしてセカンド・オピニオンを言い出せない患者さんや家族は少なくないようですが、多くの医師はセカンド・オピニオンにそれほど抵抗を感じておらず、意外にすんなり了解してくれるケースが多いと考えられます。

担当医にどうしても言い出せない場合は、セカンド・オピニオンを受ける医師を決めて、その医師から担当医に診療情報(病理検査結果、画像診断フィルムなど)の提供を依頼してもらう方法もあります。がん診療拠点病院にある相談支援センター、入院中ならば担当の看護師や院内の医療相談室などに相談してみるのもいいでしょう。

また、セカンド・オピニオンを受ける際には、担当医によるファースト・オピニオンの内容(がんの種類、病状や治療方針)をしっかり把握していないと、セカンド・オピニオンを受けても他の医師の意見のどこが担当医と同じでどこが違うのかがわからず、治療選択の助けにならない場合もあります。まずは担当医とじっくり話し合ってからのほうがより意味のあるセカンド・オピニオンになるでしょう。

さらに、セカンド・オピニオンを受けたら、その内容を担当医に報告することも大事です。セカンド・オピニオンに対する担当医の意見を聞くことで、病気や治療法への理解がさらに深まり、患者さんや家族の治療に対する希望もはっきりしてきます。

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Q6. 同居する義母が乳がんになりました。小学生と中学生の子ども(孫)にも、本当のことを伝えたほうがよいでしょうか。

患者さんの治療や療養が始まると、お子さんの生活にも影響が出てきます。同じ情報を共有していることが望ましいでしょう。

患者さんが病気になる前の家族の関係性や土地柄(がんに対する偏見が強い)などによっても状況は異なるため、未成年の子ども(孫)に真実を伝えることの判断は難しいものです。しかし、患者さんの治療や療養が始まると、そのサポートをする家族も一緒に闘病生活に入ります。また、小さな子どもでも家族の変化を敏感に感じ取ります。お子さんの生活にも影響が出てきますので、同じ情報を共有していることが望ましいといえます。

子どもに伝えるときは、余計な不安感や疎外感を与えないように家族みんながそろっている場所で話すのがよいとされています。その際は、乳がんがどのような病気で、患者さんがどのような状態に置かれていて、これからどのような治療を受けるのかを客観的に説明することが大事です。また、子どもの性格や年齢に応じての配慮も必要です。たとえば①悲しいことにダメージを強く受ける性格であれば家族の誰かが心のケアをする、②難しい言葉を使わない、③すべての情報を一度に説明するのではなく何度かに分けて話す、④明るい見通しやプラスの情報も入れるといった工夫をします。

そして、患者さんが治療を始めることで家族の生活にどのような影響が出てくるのかを話したうえで、お子さんにできる範囲で具体的な協力を求めてみましょう。子どもは自分なりに家族の一員として患者さん(おばあちゃん)のために、そのサポートをする家族(お父さんやお母さん)のために何かしたいと思っているはずです。

患者さんが治療を受けている病院に精神腫瘍医や臨床心理士がいる場合は、子どもにダメージが少ない伝え方について相談するのも一つの方法です。

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こころやコミュニケーションのサポート

Q7. 再発が見つかりました。これからどのような治療が行われていくのでしょうか。

再発の状態によって、一人ひとりの治療法は異なります。担当医の診断をしっかりと理解し、患者さんやご家族の希望にそった治療が選択できるようにしましょう。

再発の治療といっても、基本的には今までと同じようにがんの状態と体調に応じて、手術、薬物療法、放射線療法などから選択し、同時に、体や心の痛みを取り除き、生活を支え、その人らしさを保てるようにする支持療法がより一層重視されるようになります。ただ、再発してからの病状には個人差が大きく、再発に関して診療ガイドラインで定まった治療法があっても、その通りに進まないことはよくあります。患者さんの病状や治療法をよく知り、わからないことは担当医や医療スタッフに尋ねましょう。

また、再発を知ることは、がんの告知以上に強いショックを受けるともいわれます。これまでの治療は何だったのか、これからどうなるのかと患者さんは怒りや不安、悲しみに襲われます。再発後は、それまで以上に患者さん自身がどのように過ごしていきたいのかが大事になってきます。乳がんは比較的経過の長い病気です。患者さんの気持ちが落ち着いた頃を見計らって、ご家族でお互いがどのように過ごしたいと思っているのかを話し合ってみるのもよいと思います。

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再発についてのサポート情報を知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:患者必携 もしも、がんが再発したら―本人と家族に伝えたいこと

Q8. 放射線療法とは、どのような治療法ですか。

放射線でがん細胞を壊す治療法です。乳がんでは乳房温存療法の手術後の照射が一般的です。

放射線療法は、手術や薬物療法とともに、がんの3大療法の一つで、放射線をがんに照射して、細胞のDNAに働きかけ、がん細胞を壊したり、がん組織を小さくしたりする治療法です。細胞分裂が速い細胞によく効くため、正常細胞よりもがん細胞のほうがダメージを受けます。通常、使われるのはX線やγ線、電子線で、炭素線と陽子線を使う粒子線治療も行われています。体の外から照射する方法と、小さな線源を体の中に入れて照射する方法があり、体の表面に近い部分にできる乳がんでは体外からの照射で治療するのが一般的です。

放射線療法は単独で行われる場合と、手術や化学療法と組み合わせて行われる場合があります。乳がんでは放射線療法が単独で行われることはほとんどなく、乳房温存療法では、乳房部分切除の後、患部の側の残った乳房全体に外部照射します。ほとんどの場合は外来で治療できます。

臓器を切除する手術とは異なり、臓器の形や機能を残せるというメリットがある一方で、放射線を照射した部分を中心とした皮膚障害(日焼けをしたようなピリピリ感など)、だるさ、食欲不振、吐き気、口内炎などの副作用が出ます。また、治療後、半年から数年経ってから神経や皮膚などに「晩期障害」が出るケースもあります。照射してすぐは、皮膚が敏感になっているので、洗うときはそっと洗い、皮膚への刺激が少ない綿素材の下着などを着用しましょう。

治療中は患者さんの体調に気を配り、無理をさせないようにしましょう。なお、外部照射をしても家族など周りの人への影響はないので、放射線被ばくを心配する必要はありません。

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Q9. 治療を受けながら母の生活がどのように変わっていくのか不安です。以前と同じような日常生活を送れるのでしょうか。

乳がんは経過の長い病気です。治療を受けることによって起こる不安は、そのつど解消していきながら、がんの治療とつき合っていきましょう。日常生活にも不便なことが出てきますので、治療が始まる前に療養生活の準備や治療に伴う体への負担、生活に与える影響について担当医や看護師に尋ねるようにしましょう。

手術で乳がんを取り除いたあとも必要に応じてホルモン療法や化学療法、放射線療法が行われます。また、治療に伴う副作用対策が改善されてきたことから、入院せずに外来通院で治療が行われることも多くなってきました。日常生活にもいろいろ不便なことが出てきますので、これらの治療を始める前に、療養生活の準備や治療に伴う体への負担、生活に与える影響について担当医や看護師に尋ねるようにしましょう。見通しがつくことによって安心できますし、治療中の生活をできるだけ快適に過ごす方法を考えることができます。

また、患者さんの日常生活に支障を来たす場合は、公的な福祉サービスや介護サービスを積極的に活用し、サポート体制を整えましょう。困ったことがあれば何でも遠慮せずに看護師やメディカルソーシャルワーカーに相談することをおすすめします。がん診療連携拠点病院に併設されている相談支援センターでは、地域の患者さんや家族からの相談にも応じています。

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Q10. 本人が迷惑をかけたくないと、家族の助けを嫌います。どのようにサポートすればよいでしょうか。

患者さんの負担感を和らげるために、家族が手助けしたいと思っていることを伝えたうえで、患者さんが家族に頼みたいと思っていることを具体的に挙げてもらい、お互いに無理がないように調整しましょう。

家族のサポートをどのくらい受けたいかは、病状やその日の体調、患者さんの性格や家族との関係によってさまざまでしょう。また、自分のために家族が人生のすべてを犠牲にしているのではないかと悩まれる患者さんは少なくありません。病気になる前と変わらず、自分でできることは自分でしたいと考える患者さんもいますし、自分の生活や病状を家族に細かく知られるのがわずらわしいと考える患者さんもいます。あるいは、これから先にもっと助けてもらう時期が来るから、今は自分でできることをするべきだと思っているのかもしれません。

このような患者さんの家族に対する負担感を和らげるには、まずは「患者さんのために、どのようなことをしたい」と考えているのかをきちんと伝えてみましょう。そして、患者さん自身の希望もじっくりと聞きます。患者さんが家族に頼みたいと思っていることをできるだけ具体的に細かく挙げてもらい、箇条書きにして整理するといいでしょう。そのうえで労力や時間、かかるお金などの面も考慮し、お互いに無理がないように調整します。患者さんや家族の生活や体調が変わったときには、新たに話し合ってみましょう。

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がん患者さんの心の状態やケアについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんと心
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:家族向けの心のケアの情報

Q11. ホスピス(緩和ケア病棟)は、どのようなタイミングで利用するのがよいですか。

ホスピス(緩和ケア病棟)に入院できるのは、がんの進行に伴う体のつらい症状や精神的な苦痛があり、積極的治療の適応がない、あるいは希望しない患者さんです。利用にあたっては条件がありますので、施設に問い合わせてみましょう。

日本でホスピスが始まったのは1973年のことです。以来、キリスト教系の民間病院を中心に少しずつ全国に広がり、1990年には公的医療保険が適用される「緩和ケア病棟」が新設されました。そのため、「ホスピスケア」のほぼ同義語として「緩和ケア」という言葉が使われるようになりました。このように名称に違いはありますが、現場で行われている治療やケアの内容に大きな差はありません。ホスピスケアや緩和ケアの基本的な考え方は、積極的な延命治療は行わず、患者さんの人間性を最大限に尊重しながら、身体的ケア、精神的ケア、社会的ケア、スピリチュアルペイン(死を意識することで起こる苦痛や苦悩)ケアを提供していくというものです。

ホスピスや緩和ケア病棟に入院できるのは、がんの進行に伴う体のつらい症状や精神的な苦痛があり、がんを治すことを目的とする治療(手術、化学療法、ホルモン療法、放射線療法など)の適応がない、あるいはこれらの積極的治療を希望しない患者さんです。ホスピスや緩和ケア病棟を利用するためには入院条件を満たしている必要があります。

近年、ホスピスや緩和ケア病棟の利用を希望する患者さんが増えていますので、申し込んでもすぐには入院できないことがあります。切れ目のないケアを受けるためにも、ホスピスや緩和ケア病棟の利用を考えた時点で、入院の条件や待機期間などを各施設に問い合わせるのがよいでしょう。

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緩和ケア病棟の所在について知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:緩和ケア病棟のある病院の情報
日本ホスピス緩和ケア協会「受けられる場所を探す」:ホスピス緩和ケア病棟

ホスピスケアについて知りたいなら
日本ホスピス緩和ケア協会「ホスピスってなあに?」
日本ホスピス緩和ケア協会「ホスピス緩和ケアQ&A」
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団「ホスピス・緩和ケアとはなんですか」

Q12. がんの症状が進行し、だんだん食べられなくなりました。それを見ているのがつらいです。点滴で栄養を補給したほうがよいですか。

人生の最後に向かう過程の一つとして食欲が低下していきます。この時期の点滴による栄養補給は、担当医や緩和ケア医に十分に相談し、的確に対処してもらいましょう。

食欲があることは健康の証であり、患者さんがだんだん食べられなくなるのを見るのは家族としてつらいことです。人生の最後に向かう過程で、患者さんの状態によっては食欲が低下していきます。この時期に無理に食べさせたり、あるいは点滴で栄養補給したりすることによって状態が悪化することがあります。また、便秘や嘔吐・吐き気など他の症状が食欲不振の原因になっていることもあるため、担当医や緩和ケア医に十分に相談し、的確に対処してもらうことが大切です。

そのうえでの食事の留意点としては、栄養価よりも本人が食べたいものを優先し、食事の量にはこだわらないようにします。消化がよく口あたりのよい食べ物(麺類、酢のもの、果物など)を用意するほか、食べられないときは香りだけでも楽しんでもらいましょう。食事の工夫については管理栄養士のアドバイスを受けることをおすすめします。

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ターミナル期の食事のポイントについて知りたいなら
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団「がん緩和ケアに関するマニュアル」:第5章痛み以外の身体的諸症状のマネジメント
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団「がん緩和ケアに関するマニュアル」:第7章日常生活の援助

Q13. 今の病院では診断結果が出るのに時間がかかりそうです。もっと早く診断をつけてくれる病院に移るためには、どのような方法がありますか。

別の病院に行っても検査のやり直しで時間がかかってしまうことがほとんどです。いつごろ診断がつくのか、見通しを担当医に尋ねましょう。

乳がんかもしれない、あるいは再発かもしれないというときに診断がつかない状態はご本人もご家族も気持ちが落ち着かないことでしょう。焦る気持ちはお察しします。けれども、たとえ別の病院に移っても、診察や検査をやり直すことになってしまい、時間と費用が無駄になってしまいかねません。また、診断が早そうな病院を探したり、紹介状を用意してもらったりするのにも手間と時間がかかります。

まずは現在の病院で、いつごろ診断がつくのか、見通しを担当医に尋ねましょう。合わせて、診断に時間がかかっている理由も聞いてみることをお勧めします。それでも待つことに納得できない場合は、別の病院でまずはセカンド・オピニオンでみてもらい、診断までの時間を含めて、聞いてみることを考えてもよいでしょう。

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セカンド・オピニオンについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:各種がんシリーズの冊子・乳がん P26

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国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:乳がん
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:診断・治療方法
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Q14. 病状が進行し、受けられる治療法の選択肢がわずかしかありません。どうすればよいでしょうか。

それでもまだできることは残されています。患者さんご本人の気持ちを大切にしながら、合わせて生活や心を支える緩和ケアなども検討してみましょう。

病状が進行し、受けられる治療法の選択肢がわずかしかなくなったとしても、患者さんや家族がまだできることは残されています。担当医とよく話し合い、患者さんご本人にとって最善の治療を選びましょう。もしも進行を抑えるための積極的な治療に限界が生じても、体や心の痛みを取り除き、日々の生活を支える緩和ケアなどを検討してみてはどうでしょうか。つらい症状をコントロールすることで体が楽になり、気持ちにも余裕が生まれて、よりよい日常を過ごすことにつながるかもしれません。

患者さんの状況に応じて、ほかの乳腺専門医の意見を聞くセカンド・オピニオンなども利用しながら、患者さんもご家族も納得のいく治療を選択することが大事です。

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緩和ケアや患者さんの生活を支えることについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんとつき合う
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:緩和ケア

Q15. 治療後に運動をしてもよいですか。

担当医に相談のうえ、適度な運動を。治療後の体力の回復や気分転換、リラックスに役立ちます。

体力を回復させたり、維持したりするために、適度な運動は大切です。とくに入退院の前後では運動量が落ち、体力も低下しやすいので、無理のない範囲で軽い運動を行い、少しずつ体力をつけたいものです。

担当医から運動の許可が下りたら、家の中で、その場での足踏み、深い呼吸の繰り返しなど簡単な動きから始めてみましょう。家事の量を少しずつ増やしていくだけでもよい運動になります。体力が回復してきたら、短時間の散歩などに出てみましょう。患者さんが外に出るのを怖がったり、億劫がったりしているようなら、最初はご家族が付き添われるとお互いに安心です。

また、筋肉を伸縮させるストレッチで体をほぐし、心身をリラックスさせることもよいでしょう。肩や腕を動かす運動、胸や背中の筋肉を伸ばす運動は、乳がんの手術後のリハビリテーションとしても最適です。ただし、方法はリハビリ医や看護師、理学療法士などに正しく教えてもらいましょう。

もちろん、体調が悪いときには無理に運動しないことが大事です。

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療養中の運動について知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:患者必携 がんになったら手にとるガイド「体調を整えるには」

Q16. 再発を告げられ、落ち込んでいる母に、どのような言葉をかければよいのでしょうか。

患者さんにかける言葉を探すよりも、いつも傍にいることを伝え、患者さんに寄り添いましょう。

再発とは、手術で取りきれていなかった目に見えないがんが再び現れたり、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線療法で小さくなったりあるいは大きさが変化しなかったがんが再び増大したりすることをいいます。

一般的に、再発を告げられた患者さんの心に起こる衝撃は、最初のがん告知のときよりも深刻だといわれています。自分のがんに対する情報をある程度持っているだけに心により大きなダメージを受けるからです。また、これまでの治療でめざしてきた「治癒」という目標を変更せざるを得ず、気持ちを立て直すまでにとても時間がかかります。

再発の告知を受けた後の反応は、人によってさまざまです。そのため、周りの人は患者さんの反応をよく観察し、それに合わせた対応を心がけることが大切です。深く落ち込み、動揺が強い場合は、周りの人が話しかける言葉も耳に入ってこないことが多いものです。そんなときは患者さんにかける言葉を探すよりも、いつも傍にいることを伝え、患者さんに寄り添いましょう。そして、患者さんが自分から話せるような気持ちになったら、時間をかけて今後のことを話し合いましょう。

患者さんへの対応に困ったときは、精神腫瘍医や臨床心理士のアドバイスを受けるのも一つの方法です。担当医や看護師に相談してみてください。

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Q17. 担当医に「治療法がない」と言われました。この先、どうすればよいですか。

がんと共存しながらよりよく生きるために、これからの治療方針について担当医としっかり話し合い、納得できないときはセカンド・オピニオンを受けたほうがよいでしょう。

担当医が「治療法がない」と言う場合、様々な状況があると思います。担当医の説明の仕方によって患者さんは見捨てられたような感じを強く受け、途方に暮れることがよくあります。しかし、「治療法がない=見捨てられる」ことではありません。がんと共存しながらよりよく生きることを考えましょう。

そのためには、つらい症状をコントロールし、体や心が楽になるための緩和ケアや支持療法(がんそのものに伴う症状や治療による副作用に対して予防や軽減させる治療)を主体にすることが大切になってきます。まずは、本人や家族の治療に対する希望を伝えたうえで、これからの治療方針について担当医としっかり話し合い、納得がいかないときは、セカンド・オピニオンを受けたほうがよいでしょう。

また、「治療法がない」と言われると、経済的な心配をされる患者さんやご家族も少なくありません。患者さんが契約している生命保険の内容によっては、生きている間に死亡保険金の一部か全額が受け取れる場合があります。詳細については契約している生命保険会社にお問い合わせください。さらに、介護が必要になったときは介護保険も利用しましょう。がんは特定疾患に指定されているので、40~64歳の人でも介護保険サービスを使うことができます。

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緩和ケアについて知りたいなら
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セカンド・オピニオンについてさらに詳しく知りたいのなら
「がん情報サービス」:セカンド・オピニオン、紹介状についてのQ&A

介護保険制度の手続きやサービスについて知りたいのなら
東京都福祉保健局「介護保険パンフレット」

Q18. がんの確定診断を受けた病院で、そのまま治療を受けてもよいですか。

治療を担当する医師が「乳腺専門医」の資格を有しており、乳がん診療ガイドラインに基づいた治療を受けられるのかどうかを確かめましょう。

がんの治療に関しては、多くのがんで科学的根拠に基づいた、現時点での最善の治療法をまとめた「がん診療ガイドライン」が作成されています。乳がんの治療を受ける際も、乳がん診療ガイドラインに基づいた治療を受けることをおすすめします。今後、新薬などの臨床試験に参加する機会があるときにも、診療ガイドラインに準じた標準的な治療を受けていないと臨床試験の対象者とならないことがよくあります。その意味でも診療ガイドラインに基づいた治療を受けておいたほうがよいでしょう。

また、乳がんの治療を専門とする医師は「乳腺専門医」です。担当医がこの資格を持っているかどうかを確認しましょう。日本乳癌学会では乳腺専門医の名簿や乳腺専門医を育成する認定病院のリスト、乳がん診療ガイドラインをホームページで公開し、『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』(金原出版刊)を書籍として発行しています。治療に入る前に一度、目を通してみることをおすすめします。

さらに、国では全国どの地域でも質の高い治療を受けられるように「がん診療連携拠点病院」を指定しています。がん診療連携拠点病院の多くには乳腺専門医が在籍していますので、病院選びの1つの目安になります。

ただ、患者さんが確定診断を受けた病院での治療の継続を強く望んでいる場合には、転院を無理強いしないことです。また、どの病院であっても、治療方針に納得できない場合はセカンド・オピニオンを受けたり、患者さん自身が望む病院への紹介状を書いてもらったりする方法もあります。家庭の事情や通院の距離、担当医などスタッフとの相性も考慮しましょう。その半面、病院を替えると診察や検査がやり直しになり、治療開始が遅くなることも考えられます(進行の遅いタイプの乳がんの場合には治療が少々遅くなってもそれほど問題にはなりません)。どの病院で治療を受けるかはご本人、家族も含めてよく話し合ったうえで決めるようにしましょう。

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乳腺専門医の氏名と所在について知りたいのなら
日本乳癌学会:乳腺専門医

乳腺専門医を育成する認定病院の所在について知りたいのなら
日本乳癌学会:認定施設・関連施設

乳がん診療ガイドラインの内容について知りたいのなら
日本乳癌学会:乳癌診療ガイドライン

乳がんの診療を行っているがん診療連携拠点病院について知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がん診療連携拠点病院の情報 乳がんの診療を行っている病院

セカンド・オピニオンについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:各種がんシリーズの冊子・乳がん P26

乳がんについて知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:乳がん
「がん情報サービス」:各種がんシリーズの冊子・乳がん

Q19. ターミナルを迎えた母にとってホスピスに入院したほうが楽に過ごせるでしょうか。

ホスピスには苦痛を軽減させる専門家が揃っていますので、一般病棟に入院するよりもきめ細かい治療やケアが受けられます。ただし、本人にとって最後を過ごす場所としてベストとはかぎらないので、患者さんの希望をもう一度、よく確認することが大切です。

ホスピス(緩和ケア病棟)には、がんの進行に伴う痛みや呼吸困難、全身倦怠感、吐き気・嘔吐、リンパ浮腫などのつらい苦痛を和らげる技術に精通した緩和ケア医や看護師(がん専門看護師、緩和ケア認定看護師)、心のつらさに対応する精神腫瘍医や臨床心理士などの専門スタッフが患者さんの治療やケアにあたっていますので、一般病棟に入院するよりきめ細かなケアが受けられるでしょう。 その人らしく最後まで過ごすためにあらゆる苦痛を取り除くことはとても重要なことです。しかし、ホスピス(緩和ケア病棟)が患者さん本人にとって「最後を過ごす場所」として必ずしもベストだとはかぎりません。最後の時間を、どこで、どのように過ごしたいのか、患者さんの希望をもう一度、確かめることが大切です。

最近は在宅でホスピスケアを提供する診療所が増えてきたので、自宅で過ごしたいという希望があった場合も、苦痛の少ないその人らしい生活を送ることが可能になってきました。ホスピス(緩和ケア病棟)や在宅ホスピスに関する情報は、がん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センターに問い合わせてみましょう。

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ホスピスや緩和ケア病棟の所在について知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:緩和ケア病棟のある病院の情報
日本ホスピス緩和ケア協会「受けられる場所を探す」:ホスピス緩和ケア病棟

在宅ホスピスや緩和ケアを提供する診療所の所在を知りたいのなら
NPO法人日本ホスピス緩和ケア協会「緩和ケアを提供する診療所・訪問看護ステーション等」
日本在宅ホスピス協会「末期がんの方の在宅ケアデータベース」
日本ホスピス・在宅ケア研究会「在宅医リスト」

相談支援センターの所在について知りたいのなら
「がん情報サービス」:相談支援センターの情報

Q20. 担当医が忙しくて聞きたいことがあっても気兼ねします。どうすればよいですか。

依頼すれば時間を空けてくれるはずです。担当医に言い出しにくい場合は看護師に頼んで仲介してもらいましょう。また、質問メモを作ってから面会しましょう。

患者さんやご家族から依頼すれば、担当医はたいていの場合は時間を割いてくれるはずです。診察のときや病室に回診に来た際に話をするのが難しい場合は、空いている時間を教えてもらい、予約します。担当医に言い出しにくい場合は外来または病棟の看護師に頼んで、担当医に時間を取ってほしい旨を伝えてもらうとよいでしょう。

質問したいこと、確認したいことはあらかじめ箇条書きのメモにしておきます。面会時間に応じて、質問項目の数を加減しましょう。医師に一度にたくさん質問して答えてもらっても患者さんや家族には十分に理解できないことが多いため、優先順位の高い順に2~3つに絞っておくのがおすすめです。担当医に質問メモを事前に手渡すのも一つの方法です。担当医に会えなければ、看護師に渡してもらうよう頼みましょう。

また、まず看護師に話を聞いてもらうといいこともあります。話したいことや問題点が整理され、担当医にどのように質問すればうまく伝わるのかを一緒に考えてくれたり、担当医との面談時に同席して会話の調整役をしてくれたりすることもあります。

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乳がんについて知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:乳がん
「がん情報サービス」:各種がんシリーズの冊子・乳がん

Q21. 積極的治療が受けられなくなり、うつ状態になっているようです。家族はどうすればよいでしょうか。

ご家族だけで対応することは難しいので、心の専門家や緩和ケアチームに相談してみましょう。体の状態が楽になることで、患者さんに“生きる気力”が再びわいてきます。

積極的治療が受けられなくなっても、体調を整える、いわゆる緩和ケアで生命予後の改善を望めることがあります。強い作用がある治療を行わなくなったことで、体が楽になり、その分だけ時間を有効に使える場合もあります。しかし、積極的治療が受けられなくなったとき、患者さんの心には最初の告知や再発時よりも強い衝撃が襲ってくるといわれています。そのため、うつ状態にもなりやすくなっています。このような状況に置かれた患者さんの心を支えるには、その人の存在を安定させるサポートが大切だと考えられています。

この時期、ご家族だけで患者さんの不安定な心に対応するのは難しいので、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。まず担当医に相談し、心の専門家(精神腫瘍医または精神科医、心理療法士)や緩和ケアチームを紹介してもらいましょう。

また、前述したように積極的治療が受けられなくなっても治療が何もできなくなるわけではありません。心や体の状態が楽になることで、患者さんに“生きる気力”が再びわいてくる可能性もあります。

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がん患者さんの心の状態やケアについて知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんと心
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緩和ケアについて知りたいなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:がんとつき合う・緩和ケア

積極的治療が受けられなくなったときのサポート情報を知りたいのなら
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」:もしも、がんが再発したら[患者必携]本人と家族に伝えたいこと(PDF版)

Q22. ワクチン療法のような免疫療法を受けたいのですが、どうすればよいのでしょうか。

情報を集め、担当医や相談支援センターに聞いてみましょう。

一口に免疫療法といっても、さまざまなワクチンをはじめ、免疫細胞による治療にはいろいろな方法があります。世界的にみると、免疫療法は前立腺がんや悪性黒色腫で臨床的効果が認められているに過ぎず、乳がんに関してはまだ多くの臨床試験が行われている段階です。免疫療法を行っている病院は限られますし、対象となるがんも異なります。なかには安全性や有効性を確認するための臨床試験として実施しているところもありますが、この場合は臨床試験の対象に当てはまらないと受けられません。また、「先進医療」として行われている免疫療法は健康保険が一部使えないため、先進医療分の施術費が全額自己負担になります。

免疫療法に関する情報(有効性、実施病院、対象者、費用など)は、担当医や、がん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センターに聞いてみましょう。なお、健康保険の適用になっている免疫療法は現在のところありません。

ここで大事なのは、免疫療法が標準治療ではないことを知ることです。この治療を行うことで標準治療に代わることはできませんので、免疫療法を希望する場合は、よく担当医と相談してください。

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免疫療法について知りたいなら
「がん情報サービス」:免疫療法

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Q23. テレビで紹介されていた治療法を受けさせたいと考えていますが、どうすればよいでしょうか。

情報の信憑性を含め、担当医や看護師、相談支援センターに相談してみましょう。

テレビや新聞などのメディアで紹介される治療法の中には、科学的に証明されていないものもあります。担当医に相談することなく、自己判断で始めたり、勝手に治療を変えたりしないようにしましょう。受けたいと思う新しい治療があるときは、担当医にしっかり相談し、意見を求めることをおすすめします。

その治療法についてテレビ局などに問い合わせる場合は、①どんな効果と副作用があるのか、②いつから何人くらいのどんな患者さんに使ったのか、③科学的なデータはあるか、④標準治療とどこが違うのか、⑤コストはどのくらいか、⑥使用期間はどのくらいか、といったことを確認します。そこで得た情報を担当医や看護師、がん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センターの相談員に伝えて、情報の信憑性も含め、相談してみましょう。

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がんの治療法について知りたいなら
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患者必携 がんになったら手にとるガイド
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Q24. 転院が続くと、乳がんの母を支える私でさえ医師や病院から見捨てられたように感じます。患者本人はさらに孤独感を増しているようです。どのように医師や医療機関とつながればよいでしょうか。

治療をしてくれる医師とは別に継続的に心身のサポートしてくれる医師を持つことが望ましいでしょう。その候補者には「緩和ケア医」や「精神腫瘍医」がいます。

乳がんの病状に応じた治療法を選択する中で、いくつかの医療機関を転院しながら治療を受けなければならないことも少なくありません。このような状況に置かれると、医師や医療機関から見捨てられたような気持ちになることがあります。よりよい療養生活を送るためには、治療をしてくれる医師とは別に継続的に心身のサポートしてくれる医師を持つことが望ましいといえます。その候補者としては「緩和ケア医」や「精神腫瘍医」がいます。

緩和ケア医といえば、ターミナル期に痛みのケアをしてくれる医師と思いがちですが、現在はその範囲にとどまらず、がん患者に起こるあらゆる苦痛に対して診断直後から看護師や薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど他職種と連携しながら継続的にサポートしてくれます。がん診療連携拠点病院の多くには「緩和ケア外来」が設置されているので、受診してみるのもよいでしょう。

精神腫瘍医とは、がん患者や家族の心のケアを中心に、よりよい療養生活が送れるように支えてくれる専門家です。その数は全国的にも少ないのが現状ですが、「精神腫瘍外来」を設置する病院も少しずつ増えてきました。いずれの専門家もがん治療に精通していることから、状況に応じた適切なアドバイスを受けることも期待できます。

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精神腫瘍医の所在について知りたいのなら
日本サイコオンコロジー学会「活動紹介」:登録精神腫瘍医制度

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