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PNH:発作性夜間ヘモグロビン尿症との生活の情報サイト

医師との信頼関係がPNHと向き合う力に

些細なことでも伝え、より良い治療、生活を模索

Iさんは再生不良性貧血の診断から約3年後にPNHを発症しました。発熱や症状の悪化などを経験しながらも、家族や友人、主治医に自身の症状や状態をはっきりと伝え、時には同じ病気を持つ仲間の背中を押しながら、前向きに生活を楽しんでいます。

患者さん体験談Iさん(70代)PNHの診断から5年以上

※写真はイメージです。実際の患者さんではありません。

Iさん(70代)
PNHの診断から5年
(2026年3月取材)

再生不良性貧血の治療中にPNHと診断される

70代前半でPNHと診断されました。60代後半に再生不良性貧血を発症して治療を続けており、先生から「PNHは再生不良性貧血の親戚みたいな病気で、黒い尿が出ることがあるかもしれません」と聞いていました。実際に黒い尿が出て救急車を呼びましたが、先生から話を聞いていたおかげで冷静な対応ができたと思います。
診断直後は「なぜ、私がこんな病気にならなければいけないの?」と、やり場のない気持ちもありましたが、もともと楽観的な性格なこともあり「なってしまったものは仕方がない」と切り替えました。
先生が「良い薬が出てきているから、大丈夫」と言ってくださったのも励みになりました。また、「この病気自体で亡くなることはありませんが、免疫力が落ちて感染症になるのが怖いので、それだけは気をつけましょう」と注意点を伝えてくれたので、「まずは感染症に気をつければ大丈夫」と、気持ちを整えることができました。
今も症状が出て、生活に支障をきたすことがないわけではありません。発熱して黒い尿が出たり、階段を上るのに苦労したり、買い物も家族に同伴してもらったりしながら生活しています。でも、家庭菜園の軽作業など自分でできることは行い、悠々とした生活を送ることを心がけています。
また、PNHは外見からはその大変さが分かりにくい病気なので、私は友人や知人に「PNHという病気になって、無理ができないの」とはっきり伝えるようにしています。そのため周囲も理解してくれています。

「思っていることは何でも伝える」それが、自分に合う治療につながる

主治医の先生は再生不良性貧血の診断時から私を診てくださり、何でも聞いたり、話したりできる信頼関係が築けています。ある時、眠れずにつらい日が続いて「実は夜、なかなか寝付けないのです」とこぼしたことがありました。すると先生は、「私もです。そういう時は楽しいことを思い出しながら寝るといいですよ」と、先生ご自身のことも交えてアドバイスしてくれました。「先生も私と同じように悩むことがあるんだ」と安心感を覚えました。

患者の立場からは医師との間に“見えない壁”を感じてしまいがちですが、このようなやり取りの積み重ねで「睡眠のことなど、治療とは関係なさそうなことでも話していい」と思えるようになりました。
治療について先生から以前、通院回数を減らすことができる治療法をご提案いただいたことがあるのですが、その際は「先生に定期的に診てもらいたいので、このままで大丈夫です」と自分の考えを素直に伝えました。それ以外にも、先生にはその時々の悩みや希望を率直に伝えてきました。貧血症状の悪化で入院したことがあったのですが、その時も先生は私のこれまでの希望を汲み取ったうえで、病状に最も適した治療を提案してくださいました。

患者さん体験談Iさん(70代)「思っていることは何でも伝える」それが、自分に合う治療につながる

※写真はイメージです。実際の患者さんではありません。

症状だけでなく心の奥にある「やりたいこと」も伝えたい

振り返ってみると、私も症状や治療以外で、人生でやりたいことを先生に伝えるという考えまでは持ち合わせていませんでした。これまで私は先生と“日常生活を送れること”が一番良い状態、治療目標だと話していました。ですがよく考えてみると、「こんなことができるようになりたい」といった本音は伝えてこなかったように思います。今、家庭菜園での作業は軽いものにとどまっていますが、いずれは肥料をあげるなどもう少し本格的に取り組みたいと考えています。その実現のためにも、症状をもう一段階改善させたいですね。次回の診察では「先生、私、もっと畑仕事ができるようになりたいです」と伝えてみます。もっと良い治療や、生活するうえでの工夫が見つかるかもしれません。

Iさんの1日の過ごし方

「悠々とした生活を送ることを心がています」

患者さん体験談Iさん(70代)PNHの診断から5年。1日の過ごし方

声に出すことで、頼れる関係が生まれる

外来の待合室では、PNHを患っている患者さんたちと話すことがあります。同じ病気を抱える仲間がいると「大変なのは私だけじゃない」と思えて心強いです。
話をしていると、多くの方が医師に自分の思いや些細なことを伝えられずに悩んでいることに気づかされます。例えば、「新型コロナウイルスの予防接種を打っても大丈夫かな?」と私には聞いても、医師には面と向かって聞けない方もいます。そんな時、私は「一番症状を分かっているのは先生だから、どんなことでも話してみたらどう? 私は何でも聞いちゃうの」と、仲間の背中を押しています。
PNHで悩み、困っている方には「病気になったからといって、自分の気持ちを心の中に溜め込んだりしないで」と伝えたいですね。声に出して医師や周りの人に頼ることから、新しい日常と希望が開けることもあると思います。

伝えにくい症状、整理してみませんか?

「何をどう伝えればいいか分からない」
そんな時は、整理してから伝えることが役立ちます。
『症状チェックシート』を使うと
体調の変化やつらさを整理し
医師に具体的に伝えやすくなります。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんへ症状チェックシートFACIT-Fatigueスコア