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PNH:発作性夜間ヘモグロビン尿症との生活の情報サイト

医師は病気や症状への不安を解消してくれる存在

仕事や趣味への希望を持ちPNHとともに歩む

今から20数年前にPNHを発症したYさん。「主治医は自分の病気を治療してくれる存在」と敬意をもって接し、信頼関係を構築しながら治療を続けてきました。PNHと向き合うなかでの気づき、同じ疾患を持つ仲間に伝えたいことなどを聞きました。

患者さん体験談Yさん(60代)PNHの診断から20年以上

※写真はイメージです。実際の患者さんではありません。

Yさん(60代)
PNHの診断から20年以上
(2026年4月取材)

歩くと息切れしてしまい通勤も一苦労の日々

20数年前、傷からの出血が止まらなくなり、腫れてしまったことがきっかけで病院を受診したところ、再生不良性貧血であると言われました。その数年後に再生不良性貧血ではなくPNHと診断されましたが、どちらも聞いたことのない病名で余命を宣告されるような病気でもなかったので、あまりピンとこないというのが正直なところで、大きなショックに見舞われることはありませんでした。ただ、「難病で治らない」「治療法は輸血しかない」と言われ、漠然とした不安はありました。
当時はヘモグロビンの値が治療前で6.5g/dL程度、輸血後も7.5g/dL程度で、歩いていると息切れしてしまい、時折立ち止まって休まざるを得ない状態でしたので、会社への通勤は大変でした。また、血小板が減少していて血が止まりにくかったため「転んではいけない」と思っていましたし、階段を走れば電車に間に合いそうな時でも、電車内で倒れては困るので、走らないようにしていました。
職場には「ヘモグロビンが低く、酸素が体内にめぐりにくくなる病気になりました。息切れしやすいです」と具体的な症状を伝えました。PNHは見た目から重症度が分かりにくいのですが、職場の方々は落ち着いて受けとめてくれました。

健診結果も伝えるなど自分の健康状態を医師に共有

私の主治医は、PNHのメカニズムや私の症状などを分かりやすく丁寧に説明してくださるほか、さまざまな治療の提案もしてくれます。何より、専門の医師が寄り添ってくれていることが、病気や症状に関する私の不安の大部分を解消してくれています。

私からも、風邪気味のときの対処やPNH以外の病気の治療薬を服用する場合の注意点など、心配なことは積極的に質問しています。このほか、受診の際に健康診断で指摘のあった検査項目について先生に相談することもあります。健診の結果、分からないことや不安なことがあったらそこに付せんを貼り、先生に見せながら漏れなく質問するようにしています。「あとで聞こう」と思うと忘れてしまうこともあるので、その場で確認できるように準備することを意識しています。PNHを含め私の健康状態をすべて先生に知ってもらうことで、より安心して生活を送ることができていると感じています。
私は、先生を「PNHの専門家で、自分の病気を治療してくれる存在」だと考えており、敬意をもって接しています。そのうえで、私自身が疑問に思ったことは相談していますし、時にはフランクな雑談をするなどバランス良く会話するよう努めています。 「遠慮せずに話してもいいんだ」と思える関係を少しずつ築いてきたことが、先生と信頼関係の土台になっていると感じています。

Yさんの1日の過ごし方

「趣味であるエレキギターがもっとうまくなりたいと思っています」

患者さん体験談Yさん(60代)PNHの診断から20年以上。1日の過ごし方

悩んでいる人に伝えたい「医学・薬学は常に進歩している」

過去に一度、体に細菌が入ってしまって症状が悪化し、ヘモグロビンの値が5g/dLを切ってしまったことがありました。服を着替えるのもつらく、何とかタクシーに乗って病院へ行きましたが、意識がもうろうとし、病院に着いた時には「顔が黄色になっていた」と医師に言われました。健康な人なら数日で治る風邪が、私たちPNH患者の場合は命に関わる状態に直結することもあります。だからこそ、体調変化には気を配り、医師に相談しながら対処していくことが大切だと考えています。
一方で、医学・薬学の進歩には驚かされます。私とPNHとの付き合いは20年を超え、さまざまな治療を経験してきました。治療薬の変更の際には先生から「ヘモグロビン値のさらなる改善が期待でき、生活するうえでも体が楽になる可能性がある」と提案を受け、迷わず受け入れました。私自身は治療において現状維持を目標としてきましたが、主治医と相談しながら自分に合った治療を継続することでヘモグロビン値も改善し、より前向きに日常生活を送ることができるようになりました。「今のままで仕方がない」と思わずに、新しい選択肢についても医師と話してみることが大切だと感じています。
PNHと診断されて悩んでいる方、症状がつらいと感じている方には「医学や薬学は、私たちが想像している以上に進んでいます。人生を決して諦めないで」と伝えたいですね。

不安なことがあれば医師に話してみてほしい

PNHによる症状や生活での困りごとなど、何かしらの不安を抱えているのであれば、主治医に率直に話してみてください。先生方はきっと私たち患者の気持ちに寄り添ってくれますし、患者が話を切り出してくれるのを望んでいるはずです。「こんなことを聞いていいのかな」と思うようなことでも、実際に伝えてみると次の一歩につながることがあります。何事も諦めず、希望を持ち続けていれば、光は射してくるのではないでしょうか。
今回お話しした私の約20年にわたる経験と気づきが、今PNHの症状や日常生活で困っている皆さんの希望になることを願っています。私自身もこれから、仕事を再開したい、趣味であるギターがもっとうまくなりたいといった希望を持ちながら、毎日を楽しんでいきたいと考えています。

伝えにくい症状、整理してみませんか?

「何をどう伝えればいいか分からない」
そんな時は、整理してから伝えることが役立ちます。
『症状チェックシート』を使うと
体調の変化やつらさを整理し
医師に具体的に伝えやすくなります。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんへ症状チェックシートFACIT-Fatigueスコア