医師と二人三脚、諦めない学生生活
[患者さん体験談]
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PNH:発作性夜間ヘモグロビン尿症との生活の情報サイト
[患者さん体験談]
高校生の頃にPNHの診断を受けたTさん。自分の症状や不安、思いを医師にしっかり伝えながら二人三脚で治療に臨んでおり、「PNHであっても、普通の生活を送りたい」という希望を叶えながら大学生活を送っています。
※写真はイメージです。実際の患者さんではありません。
Tさん(20代)
PNHの診断から5年
(2026年3月取材)
「体調がおかしい」と感じ始めたのは、中学3年生の頃でした。長距離走が得意だったのに、長く走れなくなってしまったのです。その後、体育の授業を休むことが増えていきました。
その頃は、PNHと診断されていませんでした。体育の授業を休む時は「先生にこのつらさを分かってもらえるかな」という不安が常にあり、「体は本当に重くてつらい。でも、自分の気持ちが弱くて、嫌なことから逃げているだけなんじゃないか?」と自分の感覚すら信じられず、周りにつらさや苦しさを伝えられずに悩んでいました。
高校2年生でPNHの専門の先生に出会い、診断を受けました。PNHという正確な病名を知れたことで不安も減り、学校の先生にも説明がしやすくなって安心しました。「みんなと同じように体育の授業が受けられない」という不安を打ち明けた時、先生から「大丈夫だよ」と寄り添ってもらえたことも、うれしかったです。
診断後は、体育の先生に「体が疲れやすい病気で、長距離走や水泳はできないので休ませてください。風邪を引いた後も症状が長引くので、休みたいです」と話し、配慮してもらえました。PNHという病名だけでなく、「何がつらいのか」を具体的に伝えるようにしていました。
私はもともと、物事をはっきりと人に伝えることができる性格です。ただ、主治医の先生に自分の悩みや希望をはっきり伝えているのには、別の理由もあります。それは「PNHという病気があっても、他の人と同じように普通の生活を送りたい」という思いです。
大学に入り、通院と授業の時間が重なってしまったり、感染症にかかったりして授業を休む日が増え、単位を取れなくなる可能性が生じてしまったことがありました。その時、「PNHで進級を左右されたくない」と強く思い、主治医の先生に大学に提出する手紙と診断書の作成を依頼することにしました。大学入学時から診てもらっている現在の主治医の先生はとても優しい先生ですが、「本当に頼んでいいのか」と、迷う気持ちがなかったわけではありません。それでも思いを伝えたことで、先生は快く受けてくださいました。その後、大学側の配慮も得られ、最終的に単位を取得できました。思い切って伝えてよかったなと思っています。
「平日は大学で授業を受け、学生生活を楽しんいます」
診察を受ける前、私は前回の診察から今回までに起こった出来事(風邪を引いた、熱が出たなど)を頭の中で整理し、時系列で話せるよう準備しています。そのうえで、診察では「1週間前に風邪を引き、薬を飲んだ」「熱は出なかったけれど鼻水が出た」「最近、血尿のオレンジ色が少し濃い」といった自分で気づいた変化をできるだけ具体的に伝えるようにしています。
少しでも不安なことや気になったことは先生に話しておくと、治療や自分自身の生活にプラスになることがあります。例えば、治療に対して不安を感じた際は、率直に先生に相談していました。先生は私の気持ちを否定することなく受け止めてくださり、少しでもリラックスして治療を受けられるようにと、具体的なアドバイスをくださいました。また、治療の負担を最小限に抑えられるよう、私の体調や気持ちに合わせたきめ細やかな配慮もしていただいています。先生が私の精神的な不安に寄り添い、最善の方法を一緒に考えてくださることで、安心して治療に臨むことができています。
また、私自身の思いだけではなく、家族の考えも先生に伝えています。以前、母が薬の副作用などを心配していたことがあり、私が母の言っていたことを先生に伝えたところ、先生は丁寧に説明してくださいました。先生からの説明を受けて、母も安心したようでした。私自身も自分なりに理解ができ、納得して治療に向き合うことができました。
今は好きなランニングができていますし、先々はHYROX(ハイロックス)というフィットネスレースに挑戦したいという希望を持っています。
私は運良く、私の気持ちに寄り添い、安心感を与えてくれ、より良い治療を提案してくれる素晴らしい先生方に出会えました。先生と話していた治療の目標、「日常生活を不自由なく送ること」は実現できています。
そんな私が先生と話す中で気づいたのは、「PNHを良く知る先生であっても、私たち患者自身が伝えなければ、本当のつらさや生活の中での希望は分からない」ということです。自分の体のしんどさや「本当はこれがやりたい」「この治療はつらい」という気持ちは、PNHの患者本人にしか分かりません。希望や悩みも、それぞれ違うと思います。今の治療で気になることがあるなら、まずは主治医の先生に伝えてみるといいと思います。別の治療法や、個々の方々の生活に合ったより良いやり方を教えてもらえるかもしれません。また、PNHの患者さんやご家族・周囲の方々向けのワークショップに足を運んで情報を得たり、自分に合った医師を探すことも一つの手だと思います。
PNHだからといって、何かを我慢したり諦めたりする必要はありません。自分の考えや思いを伝えることが、自分の希望に沿った生活を叶える第一歩だと思います。
1ヶ月間の留学期間の様子。自分の希望を医師に伝え、夢を叶えています。(写真はTさん提供)
「何をどう伝えればいいか分からない」
そんな時は、整理してから伝えることが役立ちます。
『症状チェックシート』を使うと
体調の変化やつらさを整理し
医師に具体的に伝えやすくなります。