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移植片対宿主病(GVHD)情報サイト

「これから生まれてくる我が子を見届けられるのか…」

私は20XX年11月に慢性骨髄性白血病という診断を下され、次の年の1月には造血幹細胞移植を受けました。白血病との初診断時には自然と気持ちが落ち込んでしまいましたが、移植という次のステップが来たときには、「やるしかない」という気持ちに変わりました。
ただ、その時点では妻が妊娠初期で、赤ちゃんのことを思うと、自分のこと以上に家族の不安が頭をよぎりました。これから生まれてくる我が子が大きくなるのを、しっかりと見届けられるだろうかという疑問が常に心にありました。

GVHD(移植片対宿主病)になってからの不安は、医師にしっかりと伝える

移植手術を受ける前、私は医師からGVHD(移植片対宿主病)という合併症の可能性ついて説明を受けました。当初はあまり意識していなかったのですが、移植から約半年が経過した頃、歯を磨いた時に痛みを感じたり、辛い食事をした後に口が痛むようになったり、目がゴロゴロとする感覚が出始め、自分がGVHDを発症していることに気づきました。
そのとき私が思い出したのは、医師が言っていた「GVHDは怖いですが、軽度の症状が出ると長期の生存率が高まる、GVL効果(移植片対白血病効果;免疫反応によって病気の血液細胞を攻撃し、排除する働き)により再発を抑えることが期待されています[1]」という言葉でした。だから、GVHDの症状が現れたとき、私は再発する可能性が減るのではと考え、特別に落ち込むということはありませんでした。

※GVL効果とGVHDは表裏一体の関係ですが、GVHDが出現しないからといって、GVL効果がないわけではありません

その後、約1年経ったときに呼吸器の異常が見つかりました。病気になってからは激しい運動を控えていたため、自分では呼吸器の問題に気づかなかったのです。インターネットで調べてみたり、Twitterで同じような症状の方々の投稿を見てみると、呼吸器の問題で具合が悪くなる人が多く、それに対する不安を感じました。

現在、私は目の症状に対しては目薬を、口の症状に対しては内服薬と塗り薬を用いて治療を続けています。呼吸器への対応策としては、移植以降も薬物治療を継続しています。

GVHDの症状は少し大変ではありましたが、耐えられないほどのものではありませんでした。呼吸器についての問題は、自覚症状はないもののやはり最も心配な点となっています。その不安に対する対処法として、私は医師と十分な時間を設けて話し合うことを心掛けています。自分の不安をしっかりと伝えるために、15〜20分ほどの時間を確保して話すようにしています。

周囲の理解とサポートが私を支えてくれる

今後は以前と同じように働けるとは限らないし、状態が急激に悪化するかもしれません。また、治療がいつまで続くのかも分かりません。これらの不確定要素を考慮すると、公的な金銭的サポートがあると大いに助かるでしょう。もちろん、現時点では切迫した必要性はありません。しかし、今後どうなるかは誰にも予測できません。それゆえに、金銭的な援助が存在するという保証があれば、将来に対する不安を多少和らげることができるのではないかと思います。
医学や薬学についての知識がない人々や私の友人たちから見ると、GVHDとは何かを理解するのは難しいと思います。私としては白血病が寛解していれば、それが一番の喜びと感じているので、必要以上に理解してもらわなくても構わないと思っています。
それでも、私が仕事を休む必要があるときには、周囲の人々からは驚くほどの理解を得ています。最近復職したばかりですが、私が在宅勤務を続けられるよう配慮してくれました。私の状況を説明すると、基本的には皆さん理解してくれます。
これは、私の周囲の人々が私の状況を理解し、適応してくれることの証です。私にとって大変ありがたいことであり、私がこれからも治療を続ける力となっています。

  1. 8-3. 移植片対白血病・リンパ腫効果|一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
    https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=22