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乳がんの情報サイト

監修:
聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科
津川 浩一郎 先生

専門家や「仲間たち」にアドバイスを求めましょう

専門家や「仲間たち」にアドバイスを求めましょう

 日常生活で患者さんと寄り添っていくことは、ときに苦しい状況となることがあります。自分では気づかないうちに、思った以上に心や身体に深刻なダメージを受けているかもしれません。必要に応じてあなた自身が心療内科やストレス外来などを受診することも検討してみましょう。最近では、がんに関する気持ちの問題を治療対象とするスペシャリストとして、精神腫瘍科(サイコオンコロジー)が注目されています。患者さんだけでなく、家族やパートナーも受けられるのです。
 また、患者さんをサポートする中で困ったことがあれば、「がん相談支援センター」で相談することもできます(相談は無料)。がん相談支援センターは「がん診療連携拠点病院」にあり、その病院で治療を受けていない患者さんだけではなく、患者さんを支える家族やパートナーも利用できます。がんについて詳しい看護師や医療ソーシャルワーカーが、相談員として対応してくれます。経済的な支援制度、介護や福祉のサービスなどについても相談が可能です。
 患者さんや家族・パートナーを支えるものとして、患者会や家族会もあります。同じ病気や症状など共通する体験を持つ人や、その家族が自主的に集まり運営しているもので、さまざまな情報交換や交流ができます。同じような立場の人たちが支えあう「ピアサポート※」は、情報交換や交流だけでなく、心のサポートが得られる場でもあります。「仲間たち」に思い切ってあなたの悩みや思いを話してみれば、気持ちが楽になるかもしれません。

※「ピア」とは仲間という意味です。ピアサポートとは、ピア(仲間)が患者さんや家族と対等な立場で自身の体験を共有し、共感しながらサポート(支援)していくことです。

さまざまな制度を活用しましょう

 患者さんの治療生活を支えるための仕組みや制度はいろいろあります。例えば、大きな経済的負担となる治療費に関しては、健康保険の「高額療養費制度」があります。事前に健康保険に手続き(限度額適用認定証の交付申請)をしておけば、窓口での支払い時に上限額を払うだけで済むというものです。病状が進行して日常生活に支障や障害状態がある場合は「介護保険」や「障害年金」の申請もできます。経済的に生活が困難な場合には「生活保護」という制度もあります。また、生命保険では死亡保険金の一部を生前に受け取れる「リビングニーズ特約」もあります。
 しかし、このような制度を活用するためには、所定の書類を揃えたり、申請の手続きが必要です。多くの場合、その手続きは複雑で、労力が必要となります。ましてや病気を抱えている患者さん自身が行うには非常に大きな負担がかかります。このため、書類を揃えるなど手続きの準備を手伝うことは、患者さんの負担を軽減するとても大きなサポートとなります。
 こうした制度や団体のサポートを受けることは悪いことでも恥ずかしいことでもありません。これらは何よりも活用されることを目的に作られているものだからです。