症状は似ていますが、造血機能がどのように障害されているかが異なります。
疾患名 | 病態 |
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再生不良性貧血 (AA:aplastic anemia) |
造血幹細胞の持続的な減少により血液細胞数が減少した状態。血液中の赤血球、白血球、血小板の3つすべてが減少します。 |
骨髄異形成症候群 (MDS:myelodysplastic syndrome) |
造血幹細胞に何らかの異常が生じて、異常な形や質の血液細胞がつくられている状態。異常な血液細胞が増え続ける一方、血液中の正常な血液細胞が減少します。 |
急性骨髄性白血病 (AML:acute myelogenous leukemia) |
白血球細胞ができる過程で誤り(悪性化)が生じ、骨髄中に芽球*1が異常に多くなります。白血病細胞が急速に増殖する一方で、正常な赤血球、白血球、血小板は著しく減少します。 |
*1:芽球(がきゅう)…骨髄で造血幹細胞から白血球がつくられる際に、何らかの異常が生じて、未熟で異常な白血球が生じることがあり、これが芽球(白血病細胞)とよばれます。
- 再生不良性貧血の患者さんの一部は、骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病に移行する場合もあります。
- 骨髄異形成症候群で骨髄または血液中の白血病細胞が20%以上だと急性骨髄性白血病と診断されます。 骨髄または血液中の白血病細胞が20%未満でも、未熟な赤血球細胞の占める割合によっては急性骨髄性白血病と診断されます(WHO 分類改訂第4版 (2017)) 。