病気になった骨髄細胞を正常な骨髄細胞に置き換えることにより、正常な造血機能を回復させる治療です。
造血幹細胞移植(骨髄移植)の流れ

造血幹細胞移植(骨髄移植)は、有効な治療手段ですが、移植前に抗がん剤や放射線による治療を行うため、からだへの負担が大きい治療法です。また、移植後も、GVHD(移植片対宿主病)という合併症に注意する必要があります。
移植前処置
患者さんの造血組織を大量の抗がん剤や放射線照射によってほぼ完全に破壊します。その際、患者さんの免疫系を抑え、他人の造血幹細胞が拒絶されないようにします。

移植当日
あらかじめドナーから採取した正常な造血幹細胞を静脈から2〜4時間かけて注入します。

移植後
移植された造血幹細胞が働き始め、正常な血液をつくりだすまでは、感染症に対し無防備な状態なので、感染症にかからないように注意します。
病気の重症度や年齢、心臓や肝臓などの内臓の働きが保たれていることなどを考慮して、移植を受けることが可能かどうかを慎重に判断します。さらにHLA(白血球の型)が一致するドナーから正常な造血幹細胞を提供していただくことが前提となります。HLA型が一致する確率は、兄弟姉妹で4分の1ですが、非血縁者間では数百〜数万分の1と非常に低い確率であるため、骨髄バンクを利用します。